しゃがみ込みサーブの出し方を5ステップで解説|回転の使い分けと試合での活用法

しゃがみ込みサーブは、強烈な下回転・ナックルを使い分けられる最強クラスの変化系サーブです。フォームを覚えれば試合で相手を大きく崩せますが、「体の使い方がわからない」「回転をうまくかけられない」という悩みを持つ方も多いでしょう。

この記事では、しゃがみ込みサーブの基本フォームから手順・コツまでをステップ形式で解説します。さらに、試合で使うための変化の出し分け方や、レシーブ側の対処法も紹介します。読み終えた後には、練習ですぐ取り組める具体的なイメージが手に入ります。

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目次

しゃがみ込みサーブとは?

しゃがみ込みサーブとは、サーブ時に体を台より低くしゃがみ込みながらボールを打つサーブです。膝の屈伸・腰の回転・体重移動を同時に使うことで、通常のサーブでは出せないほどの強烈な回転を生み出せます。筋力に自信がない選手でも体全体のエネルギーを回転に変換できるため、幅広いレベルで使われる技術です。

通常サーブとの違い

フォアサーブやバックサーブは、体の位置をほぼ一定に保ったまま腕・手首でスイングします。一方、卓球のしゃがみ込みサーブはスイングと同時に全身を沈み込ませる点が最大の違いです。

打点が低くなるため、インパクトの瞬間が相手から見えにくくなります。回転方向を読まれにくく、独特のフォームが心理的プレッシャーにもなります。

回転のバリエーション

基本は横回転(右利きの場合、ボール右側をとらえた左横回転)ですが、ラケット面の角度を変えるだけで多彩な球種を出し分けられます。

  • 横上回転:ラケット面をやや上向きにしてこすり上げる
  • 横下回転:ラケット面を下向きにして切り下げる
  • ナックル:面を立てて弾くように当てる

同じフォームから球種を出し分けられるのが、しゃがみ込みサーブの大きな強みです。

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派生サーブ「王子サーブ」とは

しゃがみ込みサーブの代表的な派生が王子サーブです。大阪の王子卓球センターで作馬六郎氏が考案したとされ、ボールを約3mの高さにトスして落下速度を利用するのが特徴です。

高いトスによって落下の勢いがスイングに加わり、回転量がさらに増します。習得難度は高いですが、使いこなせれば強力な武器になります。

しゃがみ込みサーブのメリットとデメリット

しゃがみ込みサーブは習得できれば大きな武器になる一方、体得の難しさや体勢回復の遅さといった課題もあります。メリット・デメリットの両面を整理して、習得する価値と注意点をしっかり把握しておきましょう。

メリット①:体全体を使うことで回転量が格段に増える

しゃがみ込みサーブ最大の強みは、腕だけでなく全身のエネルギーをボールに伝えられる点です。膝の力・腰の回転・体重移動の3要素が合わさることで、通常のサーブより大きな回転量を生み出せます。

筋力が弱い選手でも強い回転を出せるのが、他のサーブと比べた最大の差別化ポイントです。回転量が増えるほど相手のレシーブミスを誘いやすくなり、3球目攻撃の展開も作りやすくなります。

メリット②:低い打点で回転の判別がされにくい

体を台の高さより下まで沈めることで、インパクトの瞬間が相手の視線から隠れやすくなります。2002年のITTF(国際卓球連盟)によるボディハイドサーブ禁止ルール改正以降も、低打点によるインパクト隠しは合法であり、引き続き有効な戦術です。

さらに、同じフォームから横上・横下・ナックル(無回転)を出し分ければ、相手に読まれにくさがさらに増します。

メリット③:独特のフォームが相手に精神的プレッシャーを与える

大きく沈み込む動作は視覚的な威圧感があり、相手の集中力を乱す効果があります。試合で初対戦の相手は、見慣れないフォームへの対応が遅れやすい傾向があります。

「とっておきの一手」として温存し、大事な場面で初めて使うと効果がより高まります。

デメリット①:習得難易度が高く安定させるまでに時間がかかる

しゃがみながらラケットを振り抜き、ボールの側面を正確にこする動作を同期させるのは非常に難しく、体得に個人差が大きいサーブです。現場では「練習しても習得できる選手が少ない」という声もあるほどです。

また、腰や膝への負担が大きいため、無理なペースで練習することは避けましょう。自分の体に合ったペースで、段階的に習得することが大切です。

習得時の注意点
  • 無理に深く沈もうとせず、まず浅いしゃがみから始める
  • 腰・膝に痛みが出たらすぐに練習を中断する
  • 回転をかける感覚をつかむ前にフォームを固めにいかない

デメリット②:体勢回復が遅れ3球目攻撃に対応しにくい

深くしゃがみ込む分、サーブ後に通常の構えへ戻るまでの時間が他のサーブより長くかかります。相手に速いリターンを返されると、体勢が整う前に打たされるリスクがあります。

対策としては、フォロースルー直後に素早く立ち上がる動作を反復練習に組み込むことが有効です。さらに、3球目攻撃まで想定したパターン練習を繰り返すことで、実戦での対応力を高めることができます。

メリット・デメリットのまとめ
  • 回転量が大きい:全身の力を使うため、筋力が弱い選手でも強い回転を出せる
  • 読まれにくい:低打点でインパクトが隠れやすく、球種の判別が難しい
  • 威圧感がある:独特のフォームで相手にプレッシャーをかけられる
  • 習得が難しい:動作の同期が複雑で、体得に個人差が大きい
  • 体勢回復が遅い:3球目攻撃を想定したパターン練習でカバーが必要

しゃがみ込みサーブのルール上の注意点

しゃがみ込みサーブは体の動きが大きいぶん、気づかないうちにルール違反になりやすい動作があります。試合で反則を取られないよう、出す前に以下のポイントをしっかり確認しておきましょう。

フォルトになりやすい5つのポイント

  • ① トスが16cm未満:ほぼ垂直に16cm以上投げ上げる必要があります。
  • ② フリーハンドでボールを握ったままトスする:手のひらを開いた状態でトスするのがルールです。
  • ③ ボールを体・衣服・腕で隠す:2002年9月以降に禁止。最初は警告、繰り返すと相手得点になります。しゃがみ込みサーブはフリーハンドがボールを隠す形になりやすいため特に注意が必要です。
  • ④ ボールが上昇中に打球する:落下途中に打つのが正しいタイミングです。
  • ⑤ 打球時にボールがエンドラインより手前(台の上)にある:台の外で打つ必要があります。

(出典: 日本卓球協会「日本卓球ルール」 / olympics.com「卓球のサーブの正しいルール」

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しゃがみ込みサーブの出し方【5ステップ】

しゃがみ込みサーブの出し方は、構え→トス→バックスイング→インパクト→フォロースルーの5つに分けて習得するのがもっとも効率的です。

各ステップで押さえるべきポイントを順番に解説します。一つひとつ確認しながら練習に取り組んでみてください。

ステップ①:構え方とスタート姿勢

まず台から少し離れた位置に立つことが大切です。台に近すぎると、スイング時にラケットが台に当たるリスクがあります。

台に対してほぼ平行に向き、右利きなら右足をやや後ろに引いて構えます。体重は後ろ足に少し乗せておき、スイングに合わせて前足へ移動できる状態にしておきましょう。

フリーハンドは手のひらを開き、ボールを静止させた状態でサーブを開始します。これはITTF・JTTAのルールで定められた構えです。

サーブ開始前にボールを静止させていないとフォルト(反則)になります。試合では特に注意しましょう。
(出典: 日本卓球協会「競技規則」

ステップ②:トスの上げ方(安定が成功率を左右する)

トスはほぼ垂直に16cm以上投げ上げるのがルールです。16cm未満はフォルトになるため注意してください。
(出典: olympics.com「卓球のサーブの正しいルール」

回転をかけずに真っすぐ上に上げましょう。斜めのトスは反則になります。トスの高さが一定だとスイングのタイミングが安定し、回転量のばらつきも減ります。

上級者はハイトス(高いトス)で落下速度を利用し、回転量をさらに増やすテクニックも使います。まずは安定したトスの習得を優先しましょう。

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卓球のサーブ練習で上達する方法|種類・打ち方・練習メニューを解説 卓球のサーブ練習を体系的に解説。回転・コース・フォームなど上達に必要な4要素を整理し、初心者から中級者向けの練習メニューを紹介。「回転がかからない」「簡単に返される」悩みを解消し、試合で使えるサーブが身につきます。

ステップ③:ラケットの引き方と準備動作

ボールが頂点に達して落ち始めたタイミングで、ボールと一緒にしゃがみ込みを開始します。同時にラケットを後方へしっかり引き、バックスイングの姿勢を作ります。

バックスイングを十分に取ることでスイングの「助走距離」が生まれ、スイングスピードを最大化できます。ボールが顔の高さ付近まで落ちてきたら、スイング開始の合図です。

ステップ④:インパクトの瞬間にボールのどこをこするか

ボールは顔の近く・高い打点でとらえましょう。打点を高く保つことで、スイング軌道が安定しコントロールが向上します。

かけたい回転によって、ラケットの当て方が変わります。

左横下回転をかける場合

ラケット面を若干天井向きに開き、ボールの右下側をこするように振り抜きます。右利きの場合、ラケットを右から左下方向へ動かすイメージです。

左横上回転をかける場合

ラケット面を床側に閉じ気味にして、ボールの右上側をこするように振り抜きます。ラケットの動きは同じ「右から左」でも、面の角度で回転の種類が変わります。

どちらの回転も「こすること」と「スイングスピード」が回転量を左右します。当てるだけでなく、しっかり弾くイメージを持ちましょう。

ステップ⑤:フォロースルーと体勢の戻し方

打球後はラケットを左方向へしっかり振り抜くフォロースルーで、回転を最大限に引き出します。途中で振りを止めると回転量が落ちてしまいます。

打ち終わったら素早く通常の構えに戻ることが重要です。しゃがみ込み後の体勢回復が遅れると、3球目攻撃のタイミングを失ってしまいます。

日頃から足腰の柔軟性を高め、体勢回復の動作もセットで練習に組み込んでおきましょう。

5ステップのまとめ
  • 構え:台から少し離れ、利き足を後ろに引いて体重を後ろ足に乗せる
  • トス:垂直に16cm以上、回転なしで真っすぐ上げる
  • バックスイング:ボールの落下と同時にしゃがみ、ラケットを後方へ引く
  • インパクト:顔の高さ付近でとらえ、回転に応じてボールのこする位置を変える
  • フォロースルー&戻し:左方向へ振り抜き、素早く構えに戻る

しゃがみ込みサーブを安定させる4つのコツ

出し方を一通り覚えたら、次は「安定させる」フェーズです。しゃがみ込みサーブは動作が大きいぶん、ちょっとしたフォームの乱れが回転量やコースのばらつきに直結します。各コツには理由も添えているので、意識しながら練習に取り組んでみてください。

コツ①:台から少し離れた位置で構える

台に近すぎると、スイング中にラケットが台に当たるリスクがあります。台から一歩分ほど距離を取ることで、思い切り振り抜けるスペースが生まれます。

構える際は体を正面に向けるのがポイントです。体全体の力をボールに伝えやすくなり、スイングの安定感が増します。

コツ②:体幹ごと思い切りスイングする

スイングスピードが遅いと、ラバーとボールの摩擦が生まれにくく回転がかかりにくくなります。手先だけで振らず、腰の回転を主導にして腕・手首をしならせるイメージで振り切りましょう。

腕の力みはスイングスピードを落とす原因になります。肩・肘・手首の力を抜いて、体幹から動き出すことを意識してください。

コツ③:顔の近く・高い打点でボールをとらえる

トスしたボールの高さに顔を合わせるように、しゃがみ込みながら打球します。顔の近くでとらえることでスイング軌道が安定し、毎回同じ打点を再現しやすくなります。

顔から遠い位置でとらえると打点がばらつき、回転のかかり方が毎回変わってしまいます。「ボールに顔を近づける」意識を持つだけで安定感が変わります。

コツ④:体重移動のタイミングをスイングに合わせる

後ろ足から前足への体重移動とスイングのタイミングを合わせると、腕の力だけに頼らずエネルギーを上乗せできます。

  • スイング開始と同時に後ろ足で地面を蹴るイメージを持つ
  • 体重が前に乗るタイミングでラケットがボールにあたるようにする
  • 体重移動が抜けると腕だけの小さなスイングになり、回転量が落ちる
安定させる4つのコツまとめ
  • 台から距離を取り、安全なスイング軌道を確保する
  • 腰主導の体幹スイングで回転量を上げる
  • 顔の近く・高い打点でボールをとらえる
  • 後ろ足から前足への体重移動をスイングに合わせる

回転別・しゃがみ込みサーブの打ち分け方

しゃがみ込みサーブの真の武器は、同じフォームから複数の回転を出し分ける点にあります。見た目が同じでも、ラケットの角度と当てる場所を変えるだけで、相手の読みを外せます。

以下は右利きプレイヤーを前提に解説します。左利きの方は左右を反転して読み替えてください。

横下回転サーブの出し方

しゃがみ込みサーブの中で最も基本となる回転です。バウンド後に低く沈みながら逃げる変化が特徴で、3球目攻撃につなげやすい一球です。

ラケット面の角度と当てる場所

ラケット面をやや上向き(天井側)に開き、ボールの右下側をとらえて左下方向へ振り抜きます。「右から左下に振り抜く」イメージで、側面ではなく下側の成分を強く入れるのがポイントです。

面を開きすぎると回転が横成分のみになりやすいため、下への振り抜きを意識しながら調整しましょう。

バウンド後の変化の特徴

バウンド後にボールが低く沈みながら横に逃げるように変化します。相手はツッツキで返しやすいものの、回転が強力なため浮かせるミスを誘いやすく、3球目攻撃を狙う展開に持ち込めます。

横上回転サーブの出し方

横下回転と同じ動作に見せかけながら、逆の変化を生み出せるのが横上回転サーブです。相手の返球を浮かせて3球目で仕留める展開に有効です。

ラケット面の角度と当てる場所

ラケット面をやや下向き(床側)に閉じ、ボールの右上側をとらえて斜め下へ振り下ろします。ただし、バック面が相手から見えるほど閉じすぎると上回転だとバレやすいため、角度は最小限に留めましょう。

バウンド後の変化の特徴

バウンド後にボールが伸びるように変化します。ツッツキやストップで合わせようとするとネットミスしやすいため、相手にドライブや打ち込みを誘発しやすい球です。

返球が浮いてきたところを3球目で仕留める展開へつなげましょう。

ナックル(無回転)サーブの出し方

ナックル(無回転)とは、ほとんど回転のかかっていない球のことです。回転サーブと組み合わせることで初めて効果を発揮します。

回転をごまかして出す動作のポイント

横下・横上回転とまったく同じフォームで振り、インパクト直前にスイングスピードを緩め、ボールをこすらず押し当てるように打ちます。見た目の動作を変えないことが最大のポイントです。

強い回転サーブを先に何本か見せておくと、同じフォームのナックルが相手の判断を大きく狂わせる効果が高まります。

バウンド後の変化の特徴

バウンド後にほとんど変化せず、「浮いてくる」感覚になります。回転があると思って合わせた相手はミスしやすくなります。

注意:ナックルサーブ単体では効果が薄い
  • 単体で使い続けると相手に慣れられてしまう
  • ぜひ横下回転・横上回転とセットで使うことが重要
  • 「あの強い回転と同じフォームかも」という不安が相手の迷いを生む
回転別・打ち分けのポイントまとめ
  • 横下回転:面を上向きに開き、右下→左下へ振り抜く。低く沈む変化で浮きミスを誘う
  • 横上回転:面を下向きに閉じ、右上→斜め下へ振り下ろす。伸びる変化でドライブを誘う
  • ナックル:同フォームでインパクトを緩め、押し当てる。回転サーブとセットで使う

しゃがみ込みサーブの効果的な練習方法

しゃがみ込みサーブは、正しい順序で練習することが上達の近道です。ここでは感覚づくり→コントロール→実戦活用の3ステップで、段階を踏んで習得できる練習法を紹介します。

練習①:回転をかける感覚だけを磨くドリル

最初は台なしの素振りから始めましょう。しゃがみ込みながら体幹を使ってスイングし、ボールの側面を薄くこする動作をゆっくり確認します。

感覚がつかめてきたら、徐々にスイングスピードを上げていきます。インパクト時に「ビュッ」という音・感触が得られるようになれば合格です。

体の動きとボールをこする感覚を切り離して習得することで、フォーム全体の精度が上がりやすくなります。いきなりサーブを出そうとせず、まず素振りで動作を固めましょう。

練習②:バウンド位置と高さを一定に揃える反復練習

感覚がつかめたら、台に向かって実際にサーブを出していきます。確認するポイントは3つです。

  • 自コートのバウンド位置が毎回同じか
  • 相手コートのバウンド位置が安定しているか
  • ネットからの高さが低く一定に保てているか

コースはまず1か所に絞りましょう。相手バック前など1点に集中して安定したら、フォアやミドルへ展開します。

バウンドがズレる場合は、トスの高さと打点(顔の高さ付近か)を見直してください。打点が低すぎるとこする角度が変わり、コントロールが乱れやすくなります。

試合でしゃがみ込みサーブが武器になるのは、コースと長さが安定して初めてです。「回転は強いけどコースがバラバラ」では相手に読まれてしまいます。

練習③:3球目攻撃まで想定したパターン練習

しゃがみ込みサーブ最大の弱点は、サーブ後の体勢回復が遅れることです。この弱点を補う唯一の解決策が、パターン化による予測対応です。

一人で練習する場合は、サーブを出した直後に素早く構えを戻し、フォア・バックドライブの素振りを組み合わせます。体に「サーブ→即構え直し」の流れを染み込ませましょう。

練習相手がいる場合は、以下のようなパターンを決めて反復します。

  • しゃがみ込みサーブ(下回転)を出す
  • 相手がツッツキで返球する
  • 3球目フォアドライブで攻める

回転の種類ごとに返球コースを予測し、サーブと3球目攻撃を一体として設計することが大切です。

練習3ステップのまとめ
  • 練習①:台なし素振りでボールをこする感覚を体に覚えさせる
  • 練習②:コースを絞り、バウンド位置・高さを一定に揃える反復練習
  • 練習③:サーブ後の体勢回復+3球目攻撃をパターン化して反復する
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しゃがみ込みサーブの返し方

受け手の立場から見ると、しゃがみ込みサーブはインパクトが低くて見えにくく、回転の判断が難しいサーブです。ここでは回転の見極め→回転別レシーブ→よくあるミスの対処という順で、実戦で使える返し方を解説します。

回転の見極め方:フォームと第一バウンドで読む

しゃがみ込みサーブを返すには、まず「どんな回転がかかっているか」を素早く判断することが先決です。観察ポイントは大きく2つあります。

  • ラケット面の向き:面が開いていれば横下系、閉じていれば横上系の回転が多い
  • スイングの方向:振り下ろし気味なら下回転成分が強く、振り上げ気味なら上回転成分が強い
  • 第一バウンド後の軌道:ボールが沈めば下系、伸びれば上系と判断できる

しゃがみ込みサーブは打点が低くインパクトが見えにくいため、フォームだけで判断しようとすると読み違えがちです。バウンド後のボールの変化を優先的に観察する習慣をつけましょう。

横下回転を受けるときのツッツキ・ストップの使い方

横下回転(下成分+横成分)は、ラケット面をフラットに当てるとネットに引っかかりやすい回転です。以下のポイントを意識して返球しましょう。

  • ラケット面を開き気味(上向き)にして、ボールの下側を薄くとらえる
  • 左横回転が混じる場合はラケットを少し右向きに調整し、横成分で押されないようにする
  • 短く返す場合はストップを活用し、台上で2バウンドさせて相手の3球目攻撃を封じる

ツッツキ・ストップについてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

ツッツキの打ち方を5ステップで解説|初心者のミスと練習法も紹介
卓球のストップとは?基本的なやり方とコツ|初心者から中級者まで使える実戦技術

横上回転を受けるときのドライブ・フリックの使い方

横上回転はバウンド後にボールが伸びるのが特徴です。ツッツキで合わせるとオーバーミスになりやすいため、上回転成分に乗せて打ち返す技術を使います。

フリックで返す場合

早いタイミングでボールをはたくように打ちます。上回転を利用して低く、コンパクトに返球するのがポイントです。バウンド直後の高いタイミングを逃さないようにしましょう。

ドライブで返す場合

ラケット面を閉じ気味にして、ボールの上側をこすり上げます。無理に強く打つよりも、回転量に合わせた面角度の調整を優先することで安定して入ります。

横回転に押されないためのチキータ・逆チキータの活用法

横回転の強いサーブへの対抗策として、チキータ・逆チキータは非常に有効な選択肢です。

  • チキータ:バック台上でボールの左側を巻き込むようにひねり、横回転を相殺しながら返球する
  • 逆チキータ:逆方向の横回転をかけて返すことで、相手の3球目攻撃コースを逆サイドへずらす

横回転サーブへの対応に慣れていない初中級者は、まずチキータより確実なツッツキで低く返すことを優先してください。技術が安定してからチキータに移行するのがおすすめです。

よくあるレシーブミスとその対処法

しゃがみ込みサーブのレシーブには、陥りやすいミスがいくつかあります。自分のミスのパターンと照らし合わせて確認してみましょう。

よくあるミスと対処法
  • ツッツキが浮いて3球目を打たれる:面を少し上向きにして薄くとらえ、台の深いところを狙う
  • ドライブをかけようとしてオーバーミス:打点を落とし、回転量に合わせて面角度を下げる
  • 横回転に押されてサイドアウト:スイング方向を横回転の逆方向に修正する(右横回転なら右方向へ押し返すイメージ)
しゃがみ込みサーブの返し方まとめ
  • フォームだけでなく、バウンド後の変化で回転を判断する
  • 横下回転にはツッツキ・ストップで、面を開いて横成分を考慮した角度調整を
  • 横上回転にはフリックやドライブで上回転に乗せて返す
  • チキータは有効だが、初中級者は安定したツッツキを優先する
  • ミスのパターンを把握し、面角度・スイング方向を個別に修正する

よくある質問

しゃがみ込みサーブの習得・反則・改善策など、実践でよく浮かぶ疑問をQ&A形式でまとめました。

しゃがみ込みサーブは初心者でも習得できますか?

難易度は高く、練習しても習得できない選手も一定数います。ただし、段階を踏めば初中級者でも身につけることは可能です。

まずはボールの側面を薄くこする感覚をつかむドリルから始めてみましょう。フォアサーブや下回転サーブが安定してきたタイミングで挑戦するのが、無理なく上達できる順序です。

しゃがみ込みサーブの回転が弱い原因は何ですか?

回転が弱い場合、主に4つの原因が考えられます。自分のフォームと照らし合わせて確認してみましょう。

① スイングスピードが遅い:体幹ごと振り切る意識で思い切りスイングしてみましょう。
② ボールを厚くとらえている:ボールの側面を薄く鋭くこする感覚を意識してください。
③ 体重移動が使えていない:後ろ足から前足への重心移動のタイミングを見直しましょう。
④ 打点がばらついている:顔の高さ付近で一定の位置にとらえる練習を繰り返すと安定します。

3球目攻撃が遅れてしまう場合の改善策は?

しゃがみ込み後の体勢回復の遅さが、3球目攻撃が間に合わない最大の原因です。フォロースルー直後にすぐ足を動かして構えに戻るクセをつけることが最優先です。

「サーブ→体勢戻し→3球目」の一連の流れをパターン練習として繰り返し、動作を自動化しましょう。また、サーブの種類によって相手のレシーブコースをある程度予測し、事前に動き始めることで実質的な出遅れを補うことができます。

しゃがみ込みサーブが得意なプロ選手はどんな選手ですか?

代表的な選手を紹介します。

松平健太(金沢ポート):日本男子では珍しいしゃがみ込みサーブが代名詞。2013年世界選手権パリ大会では、北京五輪金メダリストの馬琳(中国)撃破の際にこのサーブが脅威となりました。身長が伸びた近年は短く出しにくくなり、使用頻度は減少しています。

丁寧(中国):リオ五輪女子シングルス金メダリスト。勝負所でのしゃがみ込みサーブで知られます。

松平志穂:松平健太の妹。変幻自在のしゃがみ込みサーブ・王子サーブの使い手として知られています。

福原愛(元選手):王子サーブをトレードマークとし、広く知られた存在でしたが現在は引退しています。

なお、「王子サーブ」はしゃがみ込みサーブの一種で、大阪の王子卓球センターで作馬六郎氏が考案。1971年世界選手権優勝者ステラン・ベンクソン(スウェーデン)のしゃがみ込みサーブから着想を得て開発されたとされています。

まとめ:しゃがみ込みサーブを出し方から試合投入まで段階的にマスターしよう

この記事で解説した内容を振り返りながら、「練習→安定→試合投入」の3段階ロードマップを確認しましょう。一つひとつのステップを積み上げることで、しゃがみ込みサーブは試合で使える武器になります。

記事の要点まとめ

しゃがみ込みサーブ 習得のポイント総まとめ
  • 定義と強み:強回転・低打点・読まれにくさが三位一体の強力サーブ。体全体のエネルギーを乗せられる点が最大の特徴
  • 出し方の核心:①台から少し離れて構える ②16cm以上のトス ③顔の高さ付近でとらえる ④ラケット面の角度でボールの右側を薄くこする ⑤フォロースルー後すぐ構えを戻す
  • 回転の打ち分け:面を開けば横下回転・閉じれば横上回転・スピードを抜けばナックル。同じフォームから出し分けるのが武器の核心
  • 習得ステップ:回転をかける感覚ドリル→バウンド位置の安定化→3球目攻撃込みのパターン練習の順で身につける
  • フォルト注意点:トス16cm以上・オープンパーム・ボールを隠さないの3原則を厳守(出典: 日本卓球協会「競技規則」
  • 試合投入のコツ:序盤は相手の反応を探り、決定的な場面で使う「とっておき」として機能させると効果的

練習→安定→試合投入の3段階ロードマップ

習得の流れを3段階に整理しました。焦らず段階を踏むことが、最短でサーブを安定させるコツです。

  • 練習フェーズ:まずは回転をかける感覚をつかむ。ネットを越えなくていいので、ひたすらボールを薄くこする練習に集中する
  • 安定フェーズ:バウンド位置を一定にし、横下・横上・ナックルを同じフォームで出し分けられるようにする。球質の安定が最優先
  • 試合投入フェーズ:3球目攻撃とセットで練習し、サーブから得点パターンをつくる。序盤は様子見しながら相手の弱点に合わせて使う場面を選ぶ

しゃがみ込みサーブは覚えるまでに時間がかかりますが、一度身につければ長く使えるサーブです。焦らず継続して練習しましょう。

卓球のサーブのルール全般を改めて確認したい方には、こちらの記事がおすすめです。

👉 卓球のサーブのルールを完全解説|反則なく自信を持って打つために

しゃがみ込みサーブをマスターしたら、ぜひ他のサーブ技術にも挑戦してみてください。サーブのレパートリーが増えるほど、試合での選択肢がぐっと広がります。

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