卓球のタイムアウトは、1試合に1回・1分間だけ使える貴重な時間です。流れが悪いとき、相手の連続得点を止めたいとき、この1回の使い方が試合の結果を大きく左右します。
この記事では、タイムアウトの基本ルール(回数・時間・請求できる人)から、試合で本当に効果が出るタイミングや戦術的な使い方まで、初心者から試合経験者まで役立つ内容をまとめて解説します。

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卓球のタイムアウトとは
タイムアウトとは、試合中のポイント間に競技を一時中断できる「作戦タイム」のことです。1試合に1回、最大1分以内という制限がある公式制度で、日本卓球協会(JTTA)の「日本卓球ルール 2025年6月1日改定」に基づいて運用されています。
「何回・何分取れるの?」という疑問にズバリ答えると、1試合につき1回・最大60秒です。試合全体を通じて一度しか使えないため、いつ使うかの判断が非常に重要になります。
タイムアウト中は選手がベンチに戻り、コーチ(アドバイザー)と直接話すことができます。これは試合中にコーチから公式に指示を受けられる、唯一の時間です。
「勝敗のカギを握る60秒」とも呼ばれるほど、タイムアウトは劣勢からの逆転を生む戦略ツールとして機能します。このあとのセクションでは、具体的なルールから戦術的な使い方まで順を追って解説します。
- 回数:1試合につき1回のみ
- 時間:最大60秒(1分以内)
- タイミング:ポイントとポイントの間に請求
- できること:ベンチでコーチと直接作戦を相談
タイムアウトの基本ルール
ここで紹介するルールは、2025年6月1日改定の日本卓球ルール(JTTA)に準拠しています。基本は「1試合1回・最大1分間」。以降では、回数・請求できる人・タイミング・コーチングの可否を順に解説します。
使用できる回数と時間
タイムアウトは1マッチ(試合)につき1回、最大1分以内というのが大原則です。個人戦・団体戦ともに各マッチ1回と定められています。
1分が経過したとき、または競技者が再開の意思を示したとき(どちらか早い方)に競技を再開しなければなりません。
また、両者が同時にタイムアウトを要求した場合は、両者が再開を申し出るか1分が経過した時点で再開となります。その場合、そのマッチで別のタイムアウトを要求することはできません。
(出典:
公益財団法人 日本卓球協会「日本卓球ルール 2025年6月1日改定」)
請求できる人
請求できる人は、個人戦と団体戦で異なります。
| 試合形式 | 請求できる人 | 意見が対立した場合 |
|---|---|---|
| 個人戦 | 競技者本人・ペア(ダブルス)・指名されたアドバイザー(ベンチコーチ) | 競技者(選手本人)の意思が優先 |
| 団体戦 | 競技者・ペア・監督 | 監督の意思が優先 |
請求するときは、手で「T」の字を作るか、用意されたホワイトカードを使って主審に意思を示します。
- アドバイザーとして登録されていない人物(観覧席からの第三者など)は請求不可
請求できるタイミング
タイムアウトはラリーとラリーの間にのみ要求できます。ラリー中の要求は認められません。
主審がタイムアウトの要求を確認すると、ホワイトボードを要求した選手側に掲げて中断を宣告します。タイムアウト中は、競技者は主審の監督のもと競技領域から3メートル以内にとどまらなければなりません。
(出典:
公益財団法人 日本卓球協会「日本卓球ルール 2025年6月1日改定」)
コーチングの可否
タイムアウト中のベンチコーチからのアドバイス(コーチング)は認められています。コーチングが許可されるのは、ゲーム間の1分休憩とタイムアウトが認められた時のみです。
- ラリー中の声かけはルール違反
- 観覧席からのアドバイスやサインは厳重に禁止
- タブレット・スマートフォンなど映像機器を使った分析は、大会によってルールが異なる
(出典:
公益財団法人 日本卓球協会「卓球の基本的なルール」)
- 1マッチにつき1回・最大1分以内(ゲーム単位ではなく試合単位)
- 請求できるのは競技者・ペア・アドバイザー(個人戦)または監督(団体戦)
- ラリーとラリーの間にのみ要求可能(ラリー中は不可)
- タイムアウト中のベンチコーチからのコーチングは認められる
- ゲーム間休憩・タオルタイムはタイムアウトとは別制度

メディカルタイムアウト(MTO)とは
MTOとは、試合中に選手が負傷や突発的な身体異常により一時的に競技続行が困難になった場合に認められる、医療目的の中断制度です。
通常タイムアウトが「誰でも申請できる戦術目的の制度(1試合1回)」であるのに対し、MTOはあくまで負傷対応が目的の別制度です。混同しないよう注意しましょう。
ITTFとJTTAのMTOルール
ITTF(国際卓球連盟)の規則では、審判長が「事故によって選手が一時的に競技不能」と判断した場合に中断を認めており、中断時間は最大10分以内とされています。
ただし、以下の状況による中断は原則として認められません。
- 試合開始時点から存在していた障害・疾患
- 競技ストレスや精神的な疲労
- 筋肉疲労・痙攣(けいれん)
日本卓球協会(JTTA)のルールはITTFに準拠しているため、国内大会でも同様の基準が適用されます。
WTTのMTOルール
WTT(ワールドテーブルテニス)はITTFとは別組織であり、独自のMTOルールを定めています。
WTTでは、審判長が「選手が一時的に行動不能となりプレー続行不能」と判断した場合に緊急MTOを認めており、中断時間は最大5分です。WTT側は「ITTFと同じルールを適用する必要はない」と明言しており、適用基準の細部が異なります。
2025年の早田ひな選手のMTO申請で議論に
2025年8月、WTTチャンピオンズ横浜の女子シングルス2回戦で、早田ひな選手が左腕の治療を理由にMTOを申請しました。
このとき、第5ゲームで4-2とリードしていた張本美和選手(17歳・世界ランク6位)は、約5分の中断後に逆転負けを喫しました。試合後に張本選手が涙で疑問を訴えたことで、この一件は広く注目を集めました。
この試合をきっかけに、以下の問題点が世界的に議論されるようになりました。
- ITTFとWTTのルール差異:適用基準が異なる点
- 治療スタッフの資格:誰が治療にあたれるかの明確化
- コーチングの境界:MTO中の会話がコーチングにあたるかどうか
- MTOは負傷対応が目的の制度で、通常タイムアウトとは別物
- ITTFルール:最大10分・筋肉疲労や競技ストレスは対象外
- WTTルール:最大5分・ITTFとは独立した基準を持つ
- JTTAはITTFに準拠
- 2025年の早田選手の申請を機に、制度の透明性への議論が高まっている
メディカルタイムアウト(MTO)の制度上の問題点
「タイムアウト」と「メディカルタイムアウト(MTO)」は、名前が似ていてもまったく別の制度です。両制度の決定的な違いは、「申請理由」「申請権者」「対応スタッフ」の3点。この違いを理解しておくと、試合中の判断や観戦時の疑問がぐっとクリアになります。
申請条件の違い
通常タイムアウトは、理由を問わず申請できます。戦術的な判断だけで使えるのが最大の特徴で、1試合につき1回・最大1分間です。
一方、MTOは「試合中に新たに発生した負傷・事故で一時的に競技が続けられない」と審判長が判断した場合のみ認められます。適用基準は主催団体によって異なります。
| 項目 | 通常タイムアウト | MTO(ITTF基準) | MTO(WTT基準) |
|---|---|---|---|
| 申請理由 | 理由不問(戦術目的も可) | 試合中に新たに発生した事故・負傷で一時的に競技不能 | 一時的に行動不能でプレー続行不能と審判長が判断 |
| 使用回数・時間 | 1試合1回・最大1分 | 最大10分 | 最大5分 |
| 筋肉疲労・痙攣 | 対象外(そもそも医療目的でない) | 対象外(明記されている) | ITTFより適用条件が広めとされる |
ITTFルールでは、競技ストレス・筋肉疲労・痙攣・試合開始前から存在していた障害はMTOの対象外と明記されています。
JTTAはITTFに準拠しており、出血を伴う急性・重篤な怪我や試合続行が困難な事態に限定されます。一方WTTはITTFとは別組織であり、WTT側は「2つの組織のルールが同じである必要はない」と明言しています。
対応スタッフの問題
通常タイムアウト中は、コーチ・アドバイザー・監督などのベンチスタッフが選手に話しかけられます。医療スタッフの関与は不要です。
MTOの場合、WTT大会では原則として大会が認定したドクターや理学療法士が対応するメディカルブレーク(MB)規定があります。ただし、MTO時の治療者に関する明文規定はなく、実際には選手のコーチが治療に関与するケースも起きています。
2025年のWTTチャンピオンズ横浜では、大会ドクターから選手のコーチへ治療者が交代したことが問題視されました。WTTの見解としては「MTO時に誰が治療しても違反ではない」とされましたが、大きな議論を呼びました。
- 同国選手同士の対戦では、コーチをベンチに入れないという慣例がある
- その慣例がMTOを利用する形で破られたことが、不公平感の根底にあった
- 明文規定がなかったため、審判長からの明確な説明もなかった
コーチング境界の曖昧さ
通常タイムアウト中のコーチングは明示的に認められており、得失点パターンの整理や戦術変更の指示が行われます。
MTOは制度上あくまで医療目的であり、コーチングは想定されていません。しかし、コーチ資格を持つ人物が治療者として選手に接触した場合、言葉による指示がなくても姿勢・表情・接触といった非言語的なコーチングが行われた可能性は否定できません。
2025年の事例で張本美和選手が問題視したのは、治療行為そのものではありませんでした。「治療を名目にしたコーチングや心理干渉の可能性」と、審判長からの説明がなかったことでした。
また張本選手は「もし自分も『この人は医者です』と申告すれば、コーチである父に来てもらえたのか」と発言。このひと言が、ルールの曖昧さを鋭く突いた問いかけとして広く注目されました。
- 通常タイムアウトは戦術目的で自由に使えるが、MTO は医療目的の別制度
- MTOの適用基準はITTF(痙攣・疲労は対象外)とWTT(より広め)で異なる
- 治療者の資格・立場の統一や、治療行為とコーチング行為の境界の明文化が国際的な課題となっている

実戦でタイムアウトを活かす方法
タイムアウトで大切なのは「何を話すか」より「いつ取るか」です。タイムアウトを取ると相手にも同じ1分間が与えられます。自分に有利で、相手には不要なタイミングを見極めることが最大のポイントになります。
また、タイムアウトは1試合に1回しか使えません。「いざとなったら使おう」と温存し、終盤に追い込まれてから使っても効果は限定的です。以下の4つのタイミングは、初心者から中級者まで実戦で使える普遍的な判断基準です。
タイミング①:劣勢から流れを変えて逆転したいとき
相手に3〜4本連続で得点を許している場面が、タイムアウトの王道的な使いどころです。悪い流れを物理的に断ち切ることが最大の目的になります。
ラリー中は心拍数が上がり、冷静な判断が難しくなります。1分間の休止で戦況を整理し、「次のサーブをどうするか」「どのコースを狙うか」など、具体的な次の1手に絞って話し合いましょう。
タイミング②:大量リードを守って追い上げを止めたいとき
たとえば9-3でリードしていても、10-7まで詰め寄られたら要注意です。リードしている側が先手でタイムアウトを取るのは、一見不思議に見えますが実は効果的な逆説的活用法です。
相手の勢いが出てきたタイミングで止めることで、追い上げの流れを早期に断ち切れます。「なぜリードしている側が取る?」という心理的な揺さぶりにもなります。
タイミング③:試合序盤で戦術が定まらないとき
1・2ゲーム目で「どのコースが効くか」「どのサーブが通るか」の基本方針が見えないまま消耗するより、早めに使って後半のゲームを有利に設計する考え方があります。
「終盤に温存する」より「必要な場面で使う」ほうが勝率向上につながるという視点は、世界的に勝利を収めてきたトップレベルの指導者たちの間でも共通しています。序盤から優位に立つことが、結果的に試合全体を楽にします。
タイミング④:確実に次の1本を取りたいとき
ゲームカウント1-1のデュース局面など、次の1点が試合の趨勢を決める場面でも有効です。ゲームカウント2-1にできれば、残り試合を優位に進めやすくなります。
「次の1本だけに集中する」という心理的リセット効果も期待できます。残り時間や体力面が厳しいほど、この使い方の意味は大きくなります。
60秒の効果的な使い方
タイムアウトを取ったからといって、ただベンチに座るだけでは意味がありません。60秒をどう使うかで、その後の試合展開が大きく変わります。特にタイムアウト明けの1本目は「流れを変えられるかどうか」の分岐点です。
ベンチに戻った直後の10秒は、戦術を考えるより先に呼吸を整えることに専念してください。激しいラリーで上がった心拍数のまま話し合いをしても、情報が頭に入りにくくなります。具体的には、深呼吸・水分補給・タオルで汗を拭くといった身体的なリセット動作を組み合わせましょう。
落ち着いたらコーチと短く確認します。ポイントは「何を変えるか」を1〜2点に絞ること。情報が多すぎると頭が混乱し、かえってパフォーマンスが落ちます。
- サーブ:コースや球種(回転の種類)を変える
- レシーブ:返球コースをストレートかクロスか意識して変える
- ラリー:攻め方のパターンを切り替える
緊張や焦りでパフォーマンスが落ちている場合は、戦術の話よりもメンタルを落ち着かせる言葉かけを優先することも有効です。話し合いが終わったら、1分を使い切らずに早めにコートへ戻ってもかまいません。
タイムアウトを取った選手が先にコートへ戻ると、相手も同じタイミングで戻らなければなりません。つまり、早めに戻ることで相手の準備時間を削る効果もあります。
タイムアウト明けの1本目、相手は「こちらが何をしてくるか」を予測しています。その予測を外すことが得点への近道です。たとえば、守りに入ると思われているときにあえて積極的に仕掛けるといった意表を突く選択が効果的です。
「タイムアウト後の1本目を取れるか」が、流れを変えられるかどうかの分岐点といっても過言ではありません。観戦時にも、タイムアウト明け直後の1本に注目すると試合の読み方が一段と深まります。
- 連続失点中:悪い流れを物理的に断ち切る
- リードを守りたい:追い上げの勢いを早期に止める
- 序盤で戦術が見えない:後半を有利にするために早めに使う
- 次の1本が勝負の分岐点:心理的リセットで集中力を高める
- 最初の10秒:呼吸・水分補給でまず身体をリセット
- 残り50秒:変更点を1〜2点に絞ってコーチと確認
- 明け1本目:相手の予測を外す選択で流れをつかむ
選手とアドバイザー、どちらがタイムアウトを取るべきか
タイムアウトは「いつ取るか」だけでなく、「誰が取るか」という判断自体が戦術の一部です。選手とベンチコーチの両方が申告できるため、タイミングや意図がすれ違うと、せっかくの1回を無駄にしてしまうこともあります。
選手自身が取る場合のメリット
選手が自分でタイムアウトを申告する最大のメリットは、「今すぐ止めたい」と感じた瞬間に即座に動けることです。リズムの乱れや身体的な疲労を最も正確に把握しているのは、プレーしている本人です。
また、日本卓球協会の競技規則では、個人戦において選手の意思がアドバイザーより優先されると定められています。(出典: 公益財団法人 日本卓球協会「日本卓球ルール」)
アドバイザー(監督・コーチ)が取る場合のメリット
ベンチからの申告が有効なのは、試合にのめり込んでいる選手が気づけない「外からの視点」を持っているからです。流れにのまれている選手は、自分がタイムを取るべき局面と判断できないことも多く、そこをベンチがカバーします。
団体戦では監督の意思が優先されるため、監督がタイムアウトのタイミングを統括するのが一般的です。(出典: 公益財団法人 日本卓球協会「日本卓球ルール」)
- 選手がタイムを取りたくないタイミングでベンチが申告してしまう
- ベンチが「今だ」と感じた局面で取り逃がし、流れを渡してしまう
- 事前に方針を共有していないため、お互いが相手に任せて結局誰も取らない
こうしたミスを防ぐには、「どういう場面でベンチが取るか」を試合前に選手と共有しておくことが理想です。
相手に「読まれない」工夫
タイムアウト後の1本目は、相手から行動を予測されやすい場面です。「読まれない」工夫が、タイムアウトの効果を最大化するポイントになります。
相手の予測を外す主な方法は以下のとおりです。
- あえて「取りそうにないタイミング」で申告する心理戦的な使い方
- 自分がリードしているときに先手で取る奇襲的な活用
- タイムアウト後の戦術変更(サーブ種・コース)を毎回同じにしない
- 「タイムアウト後にどう変えるか」を複数パターン事前に準備しておく
- 個人戦は選手優先、団体戦は監督優先がルール上の基本
- 選手は即時性・主体性、ベンチは客観視点・局面判断が強み
- すれ違いを防ぐため、事前に「誰がどの場面で取るか」を決めておく
- タイムアウト後の行動パターンを複数用意して、相手に読まれにくくする

よくある質問
タイムアウトは1セットに1回ですか、1試合に1回ですか?
A:1試合(1マッチ)に1回です。セット(ゲーム)ごとにリセットされるわけではありません。
団体戦の場合は「個々のマッチ」ごとに1回なので、チームとして複数のマッチがある場合は各マッチで1回ずつ使用できます。ただし、使わなかったタイムアウトを次の試合に持ち越すことはできません。
タイムアウト中にコーチは台のそばに来られますか?
A:タイムアウト中、競技者は主審の監督のもと競技領域から3メートル以内にとどまる必要があります。コーチがその範囲内でアドバイスを行うこと自体は認められています。
ただし、台(プレー台)のすぐそばへの立ち位置などの細則については、大会ごとのガイドラインに従う必要があります。事前に大会要項を確認しておくと安心です。
メディカルタイムアウトは誰でも請求できますか?
A:選手やアドバイザーが自由に申請できるものではありません。審判長(レフェリー)が「一時的な競技不能」と判断した場合にのみ認められます。
ITTF基準では、試合前から存在していた障害・疲労・筋肉痙攣は対象外です。試合中に新たに発生した負傷が対象となります。JTTA主催大会はこのITTF基準に準拠しています。
WTT基準では審判長の判断で認められ、ITTFよりも適用条件がやや広い傾向があります。出場する大会の種別によって基準が異なる点に注意しましょう。
相手がタイムアウトを取った後、自分もすぐ取れますか?
A:自分のタイムアウト権が残っていれば、原則として次のポイント間に申請することは可能です。
ただし、両者が同時にタイムアウトを要求した場合は、そのマッチで互いに別のタイムアウトを要求できなくなると日本卓球ルールに明示されています。
また、相手の直後に取っても相手も同等の休憩を得ることになるため、戦術的には効果が薄くなりがちです。タイミングを見極めて使うことが重要です。
タイムアウトを使わずに終わった場合、持ち越せますか?
A:持ち越しはできません。タイムアウトは「1マッチに1回」の権利であり、未使用のまま終わっても次のマッチや次の大会には引き継がれません。
「終盤まで温存しよう」と考えていると、結局使えないまま試合が終わるケースもあります。本当に必要だと感じたタイミングで使うことが、最善の判断につながります。
まとめ
タイムアウトは1試合1回・最大1分間という限られた権利です。ルールの正確な理解と、使うタイミングの判断力が試合の結果を左右します。この記事全体の要点を整理しました。
【基本ルール】タイムアウトはポイント間のみ申請でき、両手で「T」の字を作って主審に伝えます。1試合に1回限りで、一度使ったら残りのゲームでは取得できません。申請できるのは、個人戦では選手本人またはアドバイザー(意見対立時は選手優先)、団体戦では選手または監督(意見対立時は監督優先)です。タイムアウト中のコーチングは認められていますが、ラリー中や観覧席からのアドバイスは禁止です。
【MTOとの関係】通常タイムアウトは戦術目的で自由に使えますが、MTO(メディカルタイムアウト)は試合中に新たな負傷が生じた場合に審判長が認める別制度です。
| 項目 | 通常タイムアウト | MTO(ITTF準拠) | MTO(WTT) |
|---|---|---|---|
| 目的 | 戦術的休憩 | 負傷治療 | 負傷治療 |
| 時間 | 最大1分 | 最大10分 | 最大5分 |
| 申請者 | 選手・監督 | 審判長が認定 | 審判長が認定 |
なお、2025年WTTチャンピオンズ横浜での早田・張本美和戦を発端に、治療を名目にしたコーチング接触の可能性が国際的な課題として浮上しています。MTOとコーチングの境界については今後のルール整備が注目されます。
【実戦での使い方】タイムアウトを取るべき場面は「連続失点で流れが悪いとき」「大量リードから追い上げられ始めたとき」「序盤に戦術が定まらないとき」「次の1本が試合の趨勢を決める場面」の4つです。60秒の使い方は、最初の10秒で呼吸を整え、残り50秒でコーチと変更ポイントを1〜2点に絞って確認するのが基本です。タイムアウト明け1本目は相手の予測を外す球を選ぶと効果的です。
【申請権者の事前確認】選手が取る場合は即時性・当事者感覚がメリット、アドバイザーが取る場合は客観的な視点がメリットです。どちらが申請するかの方針を試合前に共有しておくことで、迷いなく動けます。
- ルール:1試合1回・最大1分・ポイント間のみ申請可
- 申請権者:個人戦は選手優先、団体戦は監督優先
- コーチング:タイムアウト中のみ許可。ラリー中・観覧席からはNG
- MTOとの違い:戦術目的と負傷治療は別制度。時間・申請者が異なる
- 使い方:「温存」ではなく「必要なタイミングで迷わず使う」のが正解。使わずに終わるのは権利を捨てることと同義
(出典: 公益財団法人 日本卓球協会「日本卓球ルール 2025年6月1日改定」)

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