王子サーブは、しゃがみ込みながら強烈な横回転・下回転を組み合わせて出す、世界最高峰のサーブのひとつです。かつて日本のトップ選手が使い、相手のレシーブを完全に封じる武器として知られてきました。
「禁止されたのでは?」「一般プレイヤーでも出せる?」など、疑問を持つ方も多いはず。この記事では、王子サーブの仕組みと歴史から、具体的な打ち方・コツ・返し方、そして現代卓球での位置づけまでをまとめて解説します。

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王子サーブとは
王子サーブは、しゃがみ込みサービス(しゃがみこみサーブ)の一種です。ラケットを顔の前で縦に構え、バック面でボールを強く切ることで、通常のサーブでは出しにくい強烈な回転をかけられます。習得できれば試合を大きく変える武器になりますが、一方で扱いが難しい上級者向けのサーブでもあります。
王子サーブ最大の特徴は、ボールの落下速度をそのまま回転エネルギーに変換できる点にあります。しゃがみ込む動作でラケットを大きく振り下ろすため、一般的なサーブと比べて回転量・スピードともに桁違いの威力を出せます。
さらに、同じフォームから以下の球種を出し分けられます。
- 強い下回転(カット系)
- 横回転(左・右)
- 上回転(トップスピン系)
- ナックル(無回転)
フォームで球種が判断できないため、受ける側は「どの回転が来るか」を読むことがほぼできません。これが「魔球」と呼ばれる由来です。
- しゃがみ込みサービスの一種で、バック面でボールを切るサーブ
- 落下速度を利用して強烈な回転・高いスピードを生み出せる
- 同じフォームから複数の球種を出し分けられるため相手が読みにくい
- 習得難易度は高く、上級者向けのサーブである
王子サーブの名前の由来と誕生の背景
王子サーブは、東京の「王子」ではなく大阪市阿倍野区王子町が発祥の地です。その地に構えた「王子卓球センター」で生み出されたこのサーブは、考案者・作馬六郎氏の地道な研究と情熱によって生まれました。
考案者・作馬六郎氏とは
作馬六郎氏は、王子町で八百屋を経営しながら卓球指導を続けた人物です。市場が休みの日には大量のボールを持ち込み、ひたすらサーブ練習を繰り返しました。
その原動力となったのは、「少しでも長い時間、卓球がしたい」というシンプルな思いでした。商売の合間を縫って積み上げた練習量が、後に世界を驚かせるサーブへと結実します。
着想の源はベンクソンのしゃがみ込みサーブ
サーブ開発のきっかけは、1971年の世界選手権で優勝したスウェーデンのステラン・ベンクソン選手のしゃがみ込みサーブでした。作馬氏はこの打法に可能性を見出し、独自のアレンジを加えながら練習を重ねていきます。
「王子サーブ」という名前が生まれたエピソード
サーブに名前をつけたのは、作馬氏本人ではありません。その威力に驚いた対戦相手の監督が、「これは王子のサーブだ」と呼んだことが命名の始まりといわれています。
その後、作馬氏が率いる小学生チームが全国大会に初出場で初優勝を果たしたことで、「王子サーブ」の名は全国に一気に広まりました。
王子卓球センターを訪れたトップ選手たち
作馬氏の指導力と王子サーブの威力は、多くのトップ選手を引き寄せました。王子卓球センターには次のような選手たちが技術を磨きに訪れています。
- 福原愛
- 岡崎恵子・武田明子・成本綾海
- 松平志穂・森薗美月・阿部愛莉
女子トップ選手が多数名を連ねていることからも、王子卓球センターが日本卓球界に与えた影響の大きさがわかります。
- 発祥地は大阪市阿倍野区王子町の「王子卓球センター」
- 考案者は八百屋を営む作馬六郎氏。市場の休日に大量のボールで練習を重ねた
- ベンクソンのしゃがみ込みサーブにヒントを得て独自に開発
- 名付け親は作馬氏ではなく、威力に驚いた対戦相手の監督
- 全国大会で初出場初優勝を果たし、名が全国へ広まった

王子サーブは禁止?ルール上の扱いを確認
結論からいうと、王子サーブは禁止されていません。しゃがみ込む動作自体はルールに違反しておらず、所定のサービスルールをすべて満たせば合法なサーブです。ただし、動作の中でいくつかの反則を犯しやすい点があるため、正しく理解しておく必要があります。
卓球のサービスルールで定められた要件
国際ルール(ITTF)および日本卓球協会(JTTA)の規定では、サービス時に以下の要件をすべて満たす必要があります。
- フリーハンド(ラケットを持たない手)を開いた状態で、ボールを静止させてからトスする
- トスはほぼ垂直に16cm以上上げる
- ボールが落下する途中を打球する(上昇中の打球は不可)
- 打球の瞬間、ボールは台面(プレーイングサーフェス)より高い位置にあること
- 体やラケットでボールを相手から隠さない
王子サーブでも、これらを守っている限りは合法です。

王子サーブで反則になりやすいケース
しゃがみ込む動作があるぶん、通常のサーブより違反が起きやすい場面があります。事前に把握しておきましょう。
- ボールが台面より低くなる:しゃがみ込む際にフリーハンドが下がりすぎ、ボールが台面より低い位置になると反則。JTTAのFAQでは、フリーハンドを10cm程度以上下げてボールが台面より低くなるケースを違反例として示している
- ハイドサービス(隠し打ち):体やラケットでボールを覆い隠す動作は反則になる
- トスが斜めになる・16cm未満になる:しゃがみながらトスすると軌道が乱れやすく、基本ルール違反につながる
ルールの詳細は公式情報で確認してください。
(出典: 日本卓球協会「よくあるご質問(FAQ):ルール」)
- 王子サーブ(しゃがみ込みサーブ)は禁止ではなく、合法なサーブ
- 5つのサービスルールを守っていれば問題なし
- しゃがみ込み時に「ボールが台面より低くなる」「ボールを隠す」「トスが斜め・短い」は反則対象
- 初回違反はレット+警告、2回目以降は相手へのポイント
王子サーブの正しいやり方とコツ
王子サーブは、ボールの落下速度・しゃがみ込みのバネ・ラケットのスイングという3つの要素を組み合わせて強烈な回転を生み出すサーブです。この3要素がかみ合ったとき、通常のサーブでは出せない回転量を実現できます。それぞれの動作を順番に確認していきましょう。
構え・スタンスの取り方
台のやや後方に立ち、肩幅程度かそれよりやや広めにスタンスをとります。膝を軽く曲げて重心を低く保つことが、しゃがみ込みを安定させる第一歩です。
フリーハンドは手のひらを上に向けてボールを静止させ、トスの準備をします。ラケットはバック面を使うため、グリップを自然に保ちながら面を縦に立てた持ち方を意識してください。
- スタンスは肩幅〜やや広め。狭すぎるとしゃがみが不安定になる
- 膝を曲げて重心を落とし、素早くしゃがめる体勢を作る
- ラケット面は縦に立て、バック面が打球方向を向くように構える
トスとスイングのタイミング
王子サーブではハイトスが基本です。ルール上はトスの高さが16cm以上必要ですが、高く上げるほどボールの落下速度が増し、回転量に直結します。
ポイントは「落ちてきたボールを低い打点で捉える」こと。ボールがしっかり落ちてきてから打つことで、重力を回転エネルギーに変換できます。打球タイミングを掴むには、落下地点をよく見てボールの動きに集中することが重要です。
しゃがみ込みながら回転をかける動作
打球点に差し掛かるタイミングで膝を強く使って深くしゃがみ込み、ボールの落下速度を最大限に引き出します。このしゃがみ込みの勢いをラケットに乗せることが、王子サーブ最大のポイントです。
ラケットのバック面でボールの左側(右利きの場合)を斬るように縦に振り下ろし、サイドスピンと縦回転を組み合わせます。ラケット先端部分でボールを捉えると、より大きな回転量を生み出せます。
面の角度によって回転の種類を変えられます。
| ラケット面の角度 | 生まれる回転 |
|---|---|
| 立て気味 | 上回転寄り |
| やや寝かせる | 下回転寄り |
また、しゃがみ込んだ後は素早く元の体勢に戻ることが大切です。戻りが遅れると3球目攻撃に移れないため、戻りの速さもセットで意識してください。
効果的な練習方法
最初から完璧な動作を目指す必要はありません。段階を踏んで習得するのが上達の近道です。
- ゆっくりスイング練習:まず回転をかけることだけに集中し、ゆっくり大きなスイングで球に回転が乗る感覚を掴む
- スイングのコンパクト化:慣れてきたらスイングを徐々に小さくし、しゃがみ込み後の戻りを速くする練習に移行する
- 回転量チェック:打球後のボールの変化を毎回確認し、しゃがみのバネが回転に変換できているかを検証する
- コース別の多球練習:「どこに出せば相手が返しにくいか」を考えながら、特定コースへの精度を上げる
- 3球目攻撃との連動練習:サーブ後の体勢復帰と次球への移行をセットで繰り返し、実戦形式で仕上げる
- 広めのスタンスと低い重心でしゃがみ込みを安定させる
- ハイトスでボールの落下速度を最大限に活用する
- バック面で縦に斬り、しゃがみのバネを回転エネルギーに変換する
- 面の角度を変えることで上回転・下回転を打ち分けられる
- しゃがみ込み後の素早い体勢復帰まで含めて1セットで練習する

王子サーブの返し方と対策
王子サーブは多彩な回転と変則的なフォームが特徴のため、対策の第一歩は「回転の判別」です。まずラケットの動きを見て回転を読み、ツッツキ・ストップで安全に返球するか、チキータで攻撃的に先手を取るか。この3段階のアプローチを順番に解説します。
王子サーブの回転の読み方
回転判別の基本は、ラケット面の角度とスイングの方向を観察することです。縦に振り下ろすと縦系の回転、斜めに振ると横回転が混ざります。
王子サーブはバック面でボールの左側を切る動作が多いため、右利きのレシーバーから見ると右方向への横回転(サイドスピン)が乗りやすい傾向があります。事前に把握しておくだけで、初見の対応がぐっとラクになります。
ただし、王子サーブの最大の強みは同じフォームから複数の回転を出せること。フォームだけでなく、ボールの飛び出す方向も合わせて判断することが重要です。
ツッツキ・ストップで低く返球する方法
まず取り組みやすいのが、ツッツキとストップによる守備的な返球です。どちらも相手の3球目攻撃を難しくさせる効果があります。
ツッツキはラケット面を少し上向きにし、ボールの下を斬るように払う技術です。王子サーブの強い下回転には、面を立て気味にしてしっかりボールの下を捉えましょう。
注意したいのは、ナックル(無回転)気味のサーブへの対応です。下回転と同じ感覚でレシーブするとオーバーミスになりやすいため、ナックルと判断したら面を少し立てて当てる意識に切り替えてください。
ストップは相手コートで2バウンド以上させる短い返球で、相手に強打させないための守備技術です。バウンド直後の早い打点で捉えることがコツになります。
チキータを使った返球方法
チキータは、バックハンドで順横回転(右利きなら時計回り)をかけて返球する台上攻撃技術です。相手サーブの回転に関わらず使えることが最大のメリットです。
ボールに横回転を加えることで相手サーブの回転軸を外す効果があり、王子サーブのような強回転サーブにも対応しやすくなります。回転を完全に読めなくても、攻撃的にレシーブできる選択肢になります。
ただし、大きな動作・長い軌道のサーブに対してチキータを打つと威力が落ちやすいため、短く来たサーブに対して積極的に狙うのが基本です。
チキータにはラリーを終わらせるほどの威力があり、レシーバーが先手を取れる場面が増えます。習得すれば王子サーブ対策の選択肢が大きく広がるでしょう。
- 回転を読む:スイング方向・ボールの飛び出しを同時に観察する
- ツッツキ・ストップ:低く短く返して相手の3球目を封じる
- チキータ:短いサーブに対して積極的に先手を取る
王子サーブを得意としていた選手
王子サーブは、作馬六郎氏が率いた大阪・王子卓球センターの指導を通じて広まり、縁のある選手たちが代名詞的に使用してきた技術です。現在は使い手が減りつつありますが、各選手が独自にアレンジした王子サーブの映像はYouTubeで今も確認できるので、ぜひ検索してみてください。
福原愛選手の王子サーブ
アテネ・北京・ロンドン・リオと4大会連続で五輪に出場した福原愛選手は、かつて王子サーブを積極的に使用し、その代名詞的な存在として知られていました。
しゃがみ込みながら変則的なフォームで強烈なスピンをかけるスタイルは、国内外で大きな注目を集めました。相手が対応しにくい独特のモーションが持ち味でした。
ただし、現役後期にはほとんど使わなくなっています。なぜ王子サーブは徐々に使われなくなっていったのか——その理由は次のセクションで詳しく解説します。
福岡春菜選手の王子サーブ
四天王寺出身で作馬氏の指導を受けた福岡春菜選手は、「七色の王子サーブ」と称されるほど多彩なバリエーションを持つ選手でした。複数の情報源で「16種類」とも「約20種類」とも言われる王子サーブを使い分けていたとされています。
2006年の荻村杯では、のちに世界女王となる丁寧(中国)を破る大金星を挙げました。王子サーブが世界トップ選手にも通用することを証明した実績として、今も語り継がれています。
松平志穂選手の王子サーブ
松平志穂選手は、現役選手の中でも王子サーブの名手として高く評価されています。「現在世界最高の王子サーブの使い手」との声もあるほどです。
高いトスから勢いよくしゃがみ込んで打つフォームは完成度が高く、見た目の美しさと実戦での効果を両立しています。相手のレシーブコースを限定させる効果があり、Tリーグの試合でもその威力が発揮されています。
なお、弟の松平健太選手も王子サーブの使い手として知られており、「王子サーブを使える選手」として複数の情報源で名前が挙がっています。
- 福原愛:しゃがみ込みの変則フォームで国内外に広める。現役後期は使用頻度が低下
- 福岡春菜:「七色」と称される多彩なバリエーション。世界トップ選手も撃破
- 松平志穂:現役世代で最高水準と評される完成度の高いフォーム
- 松平健太:王子サーブを使える数少ない男子選手の一人
現代卓球における王子サーブの評価
かつてトップ選手に重宝された王子サーブですが、近年プロの試合での使用頻度は明らかに減少しています。その背景には、レシーブ技術の進化・用具規則の変更・フォームの特性など、複数の要因が絡み合っています。一方で、衰退の理由を踏まえたうえでも習得・活用する積極的な意義は残っています。
チキータの普及による横回転対策の向上
チキータとは、バックハンドで台上のボールに強い横回転をかけながら持ち上げる技術です。どんな回転のサーブに対しても応用でき、相手サーブの回転軸を外せるという特性から、王子サーブへの有効なレシーブ手段となりました。
2011年世界選手権で張継科選手がチキータを多用して優勝して以降、世界中で急速に普及。日本でも今や標準的なレシーブ技術として定着しています。
その結果、レシーバーが先手を取れる状況が増え、かつてのようにサーブ側が一方的に有利な展開を作りにくくなりました。海外選手も早い段階から王子サーブの特性を分析し、チキータを含むレシーブ技術を磨いてきた経緯があります。
プラボールへの変更による回転量の減少
2015年以降、ボールがセルロイド素材からプラスチック(プラボール)へ変更されました。これが王子サーブの威力に大きく影響しています。
セルロイドボールは表面に細かい凹凸があり、ラバーとの摩擦が大きく強烈な回転をかけやすい素材でした。一方、プラボールは表面がなめらかで摩擦が少なく、回転量が全体的に落ちやすいという特性があります。
王子サーブ最大の武器は「強烈な回転」にあるため、その優位性が相対的に下がった影響は小さくありません。なお、プラボールはドライブが打ちやすくなった面もあり、攻撃側にとっては返球しやすい状況が生まれた側面もあります。
しゃがみ込みフォームによる身体への負担
王子サーブは深くしゃがみ込む大きな動作を伴います。膝・腰・腱への負荷が繰り返しにより蓄積しやすく、長期的なキャリアを考えると継続使用をためらう選手が多いとされています。
また、身長が低い小学生には比較的スイングしやすいフォームですが、成長して身長が伸びると動作のバランスが変化しやすいという指摘もあります。試合中に何度も繰り返せば消耗も大きく、体力配分の面でも不利になりやすいフォームです。
リスクとリターンのバランスの悪化
現代卓球ではサーブから3球目までの素早い攻撃への移行が非常に重視されます。しかし、しゃがみ込みという大きな動作は3球目への体勢づくりが遅れやすく、テンポの速い現代卓球のスタイルと相性が悪いという弱点があります。
技術的な制約もあります。短く出すのが難しく、スピードも落ちやすいため、相手にレシーブの準備時間を与えやすくなります。ミスがそのまま失点に直結する現代卓球において、このリスクは無視できません。
- チキータの普及で、横回転サーブへのレシーブ対策が向上した
- プラボール移行により、回転量という最大の武器が弱体化した
- しゃがみ込み動作による膝・腰への身体的負担が蓄積しやすい
- 3球目への移行が遅れやすく、現代の速いピッチに対応しにくい
意表を突いて相手のリズムを崩せる
上級者ほど王子サーブへの対策は後回しになりがちです。使用者が少ないからこそ、「見慣れないフォーム」として相手に強い違和感を与えられます。
しゃがみ込むという動作は、通常のサーブとはまったく異なる視覚的インパクトがあります。相手の集中力や返球リズムを崩す効果が高いのです。
さらに同じフォームから横回転・下回転・上回転・ナックルを打ち分けられます。一度「この回転だ」と信じ込ませれば、続く複数球にわたって相手を迷わせ続けることができます。
- 見慣れないフォームで第一印象から相手を迷わせる
- 同じモーションから複数の回転を出せる
- しゃがみ込みの視覚的インパクトが返球リズムを乱す
切り札として流れを変える場面での活用法
王子サーブは試合序盤から多用するものではありません。相手がまだ対応に慣れていないタイミング、1試合に数回に絞って出すのが基本の使い方です。
特に効果的なのは、デュースや5-9など追い込まれた局面です。「ここぞ」の一球として投じることで、相手が対応しきれずミスや甘いレシーブを誘いやすくなります。
上級者向け技術として差別化できる
習得難易度が高いぶん、マスターすれば他の選手との技術的な差別化につながります。しゃがみ込みサービスを持つ選手は希少なため、相手が事前にスカウティングしにくい点も強みです。
また、「ボールの落下速度を利用して強回転をかける」という王子サーブ特有のメカニズムを理解することは、サーブ全般の回転原理を深く学ぶことにもつながります。
- 使用者が少ないからこそ「見慣れないサーブ」として機能する
- 同一フォームから複数回転を出せ、相手を長く迷わせられる
- デュース・重要局面での「切り札」として高いエフェクトを期待できる
- 希少技術を持つことで対策されにくく、技術的差別化につながる
- 回転の原理理解やフットワーク強化など、副次的な技術向上も見込める

王子サーブに関するよくある質問
王子サーブについて調べていると、「本当に自分でも練習できる?」「しゃがみ込みサーブと何が違う?」など、疑問が次々と浮かんでくるものです。ここでは、よく寄せられる5つの質問にまとめて答えます。
王子サーブは初心者でも練習できますか?
基本的なフォアサーブ・バックサーブをまだ習得していない段階では、難易度が高くおすすめできません。まずは基本のサーブで「回転をかける感覚」を身につけることが先決です。
しゃがみ込みという特殊な動作を伴うため、膝や腰への負担にも注意が必要です。無理に深くしゃがもうとせず、段階的にフォームを作っていきましょう。
ある程度サーブの基礎が固まった初中級者であれば、「回転をかけること」だけに集中したゆっくりした動作から始めることで、少しずつ習得を目指せます。
しゃがみ込みサーブと王子サーブの違いは何ですか?
しゃがみ込みサーブは、しゃがみながら打つサーブ全般を指す広い名称です。王子サーブはその中の一種に当たります。
王子サーブの特徴は、ラケットを顔の前で縦に振り、バック面でボールを切ってサイドスピンをかけるフォームにあります。一般的なしゃがみ込みサーブよりも、特定のフォームと回転系統を指す言葉です。
両者は混同されることが多いですが、厳密には王子サーブは作馬六郎氏が考案したフォームに由来する固有の技術名です。「しゃがみ込みサーブ=王子サーブ」ではない点を覚えておきましょう。
王子サーブはどのくらい練習すれば習得できますか?
非常に高い技術を要するサーブのため、安定して使えるまでの期間は個人差が大きく、一概には言えません。焦らず段階を踏むことが大切です。
習得の流れとしては、以下のステップが有効です。
①回転をかけること → ②コースを狙うこと → ③大きな動作をコンパクトにすること → ④3球目移行をスムーズにすること、という順番で精度を上げていきましょう。
近道はなく、日々のサーブ練習に継続的に組み込む反復練習が唯一の方法です。
王子サーブを試合で使うタイミングはいつですか?
試合序盤から多用するよりも、相手がまだ慣れていない場面や、勝負どころの重要な局面で使う「切り札」として温存するのが効果的です。
特に、相手がツッツキやストップ主体のレシーブをしているときに奇襲として使うと、予想外の回転で返球を乱しやすくなります。
使う頻度が増えると対策される可能性も上がるため、1試合で数本程度に絞るのが基本的な考え方です。希少性を保つことで、ここぞという場面での効果が高まります。
王子サーブが禁止になるケースはありますか?
王子サーブそのものを禁止するルールは存在しません。ただし、サーブルール全般(トスの高さ・ボールを隠さない・台面より高い位置でのボール保持など)に違反した場合は反則となります。
注意が必要なのは、しゃがみ込む際にボールが台面より低い位置になると違反になりうる点です。深くしゃがみながらも、ボールは常に台面より高く保つ必要があります。
また、競技会によってはローカルルールが設けられている場合もあります。参加する大会のルールは事前に確認しておきましょう。
(出典: JTTA(日本卓球協会)よくあるご質問(FAQ):ルール)
まとめ:王子サーブは実戦で使えるか
王子サーブは、作馬六郎氏が大阪・王子町で生み出したしゃがみ込みサービスの一種です。強烈な回転量と変則的なフォームが最大の武器で、ルール上は現在も合法な技術として認められています。
ただし、トスの高さ16cm以上・体によるボール隠しの禁止など、基本的な競技規則を守ることが大前提です。フォームが特殊なぶん、ルール違反になりやすい落とし穴も多いので注意しましょう。
現代卓球での位置づけ
プロレベルでは、王子サーブの使用頻度は以前より減っています。主な理由は以下の3つです。
- チキータの普及により、強回転サーブへの対応力が格段に上がった
- プラボール(樹脂製ボール)への変更で、セルロイド時代と比べて回転量が出にくくなった
- 3球目攻撃への移行が遅れるため、守勢に回りやすいリスクがある
これらの要因が重なり、トップ選手が試合で多用する場面は少なくなりました。
それでも「切り札」になりうる理由
使用頻度が下がっているからこそ、「見慣れない」という奇襲性は今も健在です。多彩な回転変化と独特のフォームは、相手のレシーブを崩す武器として十分機能します。
重要なのは「場面を選ぶ」こと。毎球使うサーブではなく、ここぞという局面で使う切り札として設計することが、現代卓球での正しい活用法といえます。
習得に向けて:段階的に取り組もう
習得難易度は高く、体全体を使うフォームの習得だけでも相応の時間がかかります。それでも、他の選手と差別化できる上級技術であることに変わりありません。
焦らず段階を踏むことが大切です。
- まずしゃがみ込みの体勢とバランス感覚を身につける
- 回転をかける感覚をラケット素振りで確認する
- 低い回転から始め、徐々に回転量を増やしていく
- 実戦では場面を絞り、切り札として少しずつ試す
- 作馬六郎氏考案のしゃがみ込みサービスで、強回転と変則フォームが特徴
- 競技規則上は合法だが、トスの高さなど基本ルールの遵守が必須
- プラボール・チキータ普及により、プロでの使用は減少傾向
- 「見慣れない」奇襲性は今も有効。試合では切り札として場面を選んで使う
- 習得は難しいが、段階的な練習で確実に身につけていくことが鍵

T-timesは、全日本選手権出場経験を持つコーチから「勝てる卓球」を学べる卓球教室です。東京・神奈川・埼玉・千葉の幅広いエリアで、入会費・年会費完全無料、1時間6,500円からレッスンを受けられます。
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