YGサーブは、手首を使って横回転・逆横回転を自在にかけられる強力なサーブです。相手のレシーブを崩し、3球目攻撃につなげる現代卓球の定番技術として、世界トップ選手も多用しています。
この記事では、YGサーブの基本的な出し方を5ステップで解説し、回転をしっかりかけるコツ・よくあるミスの原因・実戦での使い方まで一気に紹介します。「なんとなく出しているけど回転がかからない」という方も、フォームの細かいポイントがつかめれば確実に改善できます。
初心者の方でもイメージしやすいよう、動作を順序立てて説明していますので、ぜひ練習のお供にしてください。

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YGサーブは手首の使い方や回転のかけ方が複雑で、動画を見ながら練習しても「なぜ回転がかからないのか」を自分では判断しにくいサーブです。T-timesのコーチがあなたのフォームを直接確認し、修正すべき点をその場で丁寧に指導します。
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YGサーブとは
YGサーブ(ワイジーサーブ)は、フォアサーブの構えから逆横回転をかける独自のサーブです。右利きの場合、ボールが左方向(相手から見て右)に曲がる軌道が特徴です。手首を大きく使ったスイングで強烈な回転を生み出せるため、現在は世界トップレベルでも標準的に使われています。
YGは「Young Generation(ヤングジェネレーション)」の略で、日本では「ヤンジェネ」とも呼ばれます。1990年代、欧州の若い世代の選手たちがこのサーブを使い始めたことが名前の由来です。2010年代以降は世界的に普及し、現在では多くのトップ選手が実戦で取り入れています。
YGサーブの核心は、フォアサーブの構えから手首を一旦内側に深く曲げ、その手首を戻す動きでボールに回転をかける点にあります。この独特なスイングによって、非常に強い逆横回転を生み出せます。一見すると複雑な動きですが、慣れることで他のサーブには出しにくい鋭い回転が可能になります。
- 逆横回転(右利きで左に曲がる)をかけるフォアサーブ
- 名前は「Young Generation」の略。1990年代の欧州から広まった
- 手首を深く内側に曲げて戻す独特なスイングが核心
- 巻き込みサーブより回転量が出やすいのが最大の強み
- 手首の柔軟性・強さがある程度必要で、習得難度はやや高め
YGサーブと他のサーブの違い
逆横回転をかけるサーブには、バックサーブや巻き込みサーブもあります。YGサーブはこれらとどう違うのでしょうか。
| サーブ名 | 回転の向き | スイングの特徴 | YGとの違い |
|---|---|---|---|
| YGサーブ | 逆横回転 | 手首を大きく内→外に返す | 回転量が出やすい |
| 巻き込みサーブ | 逆横回転 | 腕を内側に巻き込む | スイング前のフェイクが入れやすい |
| バックサーブ | 逆横回転 | バック面で横に払う | 比較的シンプルな動作 |
巻き込みサーブはスイング直前にフェイクを入れて相手を惑わせやすい反面、YGサーブは圧倒的な回転量が最大の武器です。同じ逆横回転でも、狙いどころが異なります。
YGサーブの出し方:基本フォームと手順
このセクションでは、右利きのシェークハンドを基準にYGサーブの手順を分解して解説します。ペンホルダーの方向けの補足はグリップの項目内にまとめています。グリップ→構え→トス→スイングの順に、一つひとつ確認していきましょう。
グリップの握り方
シェークハンドの場合
通常のシェークハンドグリップから、中指・薬指・小指の3本をラケット面から外します。代わりに、人差し指と親指でラバーの根元を挟み込むように握ります。これを「ピンチグリップ」と呼びます。
この持ち方により、手首を大きくスナップさせる動きが可能になります。スイングの方向によって指の形が少し変わります。
- 前方へスイングする場合:人差し指をラケットの曲線に沿わせ、中指・薬指・小指は軽く丸める
- エンドラインと平行にスイングする場合:人差し指に加えて中指もラバーに当て、「ピース」のような形にすることもある(個人差あり)
- グリップ部分がラケットの後ろ側に隠れている → 手首のスナップが使えず回転がかからない
ペンホルダーの場合
ペンホルダーは、親指と中指でラケットをしっかり握るのが基本です。シェークのピンチグリップとは異なりますが、「内側から外側へ払う」スイングの方向性はシェークと同じです。
構えと体の向き
台に対してフォアサーブを出す通常の横向き姿勢で構えます。このとき、あらかじめ手首をやや内側(自分の体側)に曲げておくのがポイントです。
同時に脇を少し開け、ラケットのヘッドを相手方向に向けるイメージを持ちましょう。事前に軽くバックスイングをとっておくと、トス後の動きがスムーズになります。
トスの上げ方
フリーハンド(左手)の開いた手のひらにボールを静止させてからトスします。ほぼ垂直に16cm以上投げ上げるのが競技規則上の必須要件です。
(出典: 日本卓球協会「競技規則(2025年6月1日改定)」)
- 体の近くに落ちるよう意識する:体から離れた位置だと擦りにくくなりミスが増える
- 真上に上げる:斜めのトスは反則(フォルト)になる
- 落下中に打球する:上昇中の打球はルール違反
- トスが16cm未満の場合はフォルトとなり、警告またはポイント喪失になります
スイングの方向とボールの捉え方
トスのタイミングに合わせて脇をさらに開き、肘を手首・ラケットよりも高い位置に突き出します。脇のスペースにラケットを入れるようにバックスイングしながら、手首を最大限まで内側に曲げます。
スイングの基本方向は「内側→外側」。肘を支点に前腕を外側へ払う動きです。打球の瞬間に内側に曲げていた手首を一気に外側へ戻すことで、逆横回転が生まれます。
- 右足から左足への体重移動と連動させる
- 低い姿勢で、できるだけ低い位置でボールを捉える → 低いバウンドに安定しやすい
- ピンチグリップで手首を自由に動かせる状態をつくる
- 構えの時点で手首を内側に曲げ、脇を開いてバックスイングをとる
- 体の近くに真上16cm以上のトスを上げる
- 肘を高く突き出しながら「内側→外側」へ前腕を払う
- ボールの右側面を薄く擦り、逆横回転をかける
YGサーブの種類ごとの出し方
YGサーブには主に4種類あり、回転の組み合わせと長さで使い分けます。まずは使用頻度が最も高い逆横下回転から練習するのがおすすめです。基本フォームを固めてから、他の種類に応用していきましょう。
右利きの場合、ボールの右側面を擦ることで逆横回転(左回転)がかかります。回転の種類によって擦る位置と面の角度が変わります。
| 回転の種類 | ラケット面の角度 | 擦る位置 |
|---|---|---|
| 下回転系 | 水平に保つ | 右側面+下部 |
| 上回転系 | やや傾ける | 右側面〜右斜め後ろを後ろから前へ |
どちらの場合も、ラバーで薄く捉える感覚が重要です。厚く当てると回転がかからず棒球(無回転)になってしまいます。また、腕は肘から動かすことを意識してください。手首だけでなく肘の動きが回転量を生みます。バックスイング時の「タメ」が大きいほど、より強い回転がかかります。
逆横下回転YGサーブの出し方
4種類の中で最も使用頻度が高く、最初にマスターすべき基本の種類です。ここをしっかり固めることで、他の種類への応用もスムーズになります。
打球のポイントは以下の通りです。
- あらかじめ手首を内側に約30°曲げてバックスイングをとる
- ラケット面を水平に保ち、ボールの右側面+下部を捉える
- スイング方向は相手方向(前方)へ振り抜く
- 打球時に右足を前に出し、体を台正面へ向ける
- 姿勢を低くして低い打点でボールを捉える
逆横上回転YGサーブの出し方
構えとバックスイングは逆横下回転と同じフォームで入ります。見た目をそろえることが、相手の判断を狂わせる最大のポイントです。
下回転系と異なるのは、打球の瞬間です。ボールの右側面〜右斜め後ろを捉え、ラケット面をやや傾けながら、ボールの上側を後ろから前に擦るようにスイングします。手首を跳ね上げてラケット先端が右を向くよう、エンドラインに沿う方向へ振り切ります。
バウンドに伸びが出るため、相手のタイミングを外す効果があります。下回転系と組み合わせて使うことで、相手の判断をさらに難しくできます。
ナックルYGサーブの出し方
ナックルとは、ほぼ回転がかかっていない状態のことです。相手は回転があると思い込んでツッツキやストップで返すため、ボールが浮いてチャンスボールになります。
最重要ポイントはフォームを逆横下回転と完全に揃えることです。打球の直前まで同じ動作で入り、ラバーでボールを「擦る」感覚から「押し当てる」感覚に切り替えます。この切り替えを最小限の動作変化で行うのがコツです。
ロングYGサーブの出し方
ロングYGサーブは、自分のコートのエンドライン付近にバウンドさせ、相手コートの奥まで届かせるサーブです。相当な練習が必要な高難度技術ですが、習得できれば大きな武器になります。
- できるだけ低い打点で打球し、バウンドを低く抑える
- フォームはコンパクトに保ちながら、体全体を使って威力を持たせる
- 相手のバック側へ送るとチキータ(バックハンドの強打技術)を封じる効果がある
- フォア側へのロングYGは難易度がさらに高いが、相手の読みを外す切り札になる
- 逆横下回転:最初にマスターすべき基本。短く出すと特に効果的
- 逆横上回転:下回転と同フォームで出し、バウンドの伸びで相手を惑わす
- ナックル:フォームを揃えて「押し当てる」感覚に切り替えるのが肝
- ロング:低い打点+体全体の威力でコートの奥まで届かせる高難度技術

YGサーブを安定させる5つのコツ
フォームを一通り覚えたら、次は安定して出せるようにする段階です。YGサーブは手首の使い方が独特なため、細かい身体操作のポイントを意識するだけで、精度と回転量が大きく変わります。ここでは安定化のコツを5つに絞って解説します。
コツ①:構えの段階で手首を内側に曲げ、脇を開けておく
通常のフォアサーブと同じ構えからYGを出そうとすると、タイミングが合わずに空振りが増えやすくなります。構えた時点であらかじめバックスイングをとっておくことで、トス後の動きがスムーズになります。
具体的には、ラケットのヘッドを相手方向に向けるイメージで手首を内側に曲げ、脇も少し開けておきましょう。この「仕込み」があるだけで、スイングの流れが格段に楽になります。
コツ②:トスを体の近くに上げる
体の近くにトスを落とすと、インパクトの瞬間にしっかり力を伝えて擦ることができ、回転量が格段に上がります。YGサーブは回転が強いほど台に収まりやすく、安定感も増します。
反対に、体から離れた位置にボールが落ちると擦りづらくなってミスが増えます。ただし、斜めにトスするのはルール違反です。垂直トスを維持しながら、体に引きつけるよう意識しましょう。
コツ③:打つ前に手の力を抜いてリラックスする
インパクト直前まで手・腕の力を抜いておくことで、手首スナップの可動域が広がり回転量が増します。力みすぎると手首の動きが制限され、ボールを厚く捉えて棒球(回転のない球)になりやすいです。
「脱力してからインパクト一瞬だけ力を入れる」感覚をつかむのがポイントです。日頃から手首のストレッチを行い、可動域を広げておくことも効果的ですよ。
コツ④:手首のスナップを最大限に使う
手首のスナップはYGサーブの回転の源泉です。インパクト直前に手首を体側へ最大限巻き込み、インパクトの瞬間に一気に外側へ返します。スナップが弱いと回転量が激減するため、ここは意識的に鍛えたいポイントです。
感覚をつかむコツは、肘を支点として前腕が横方向に動くイメージを持つことです。手先だけでなく前腕ごと動かす意識を持つと、スナップの力が伝わりやすくなります。
コツ⑤:体の回転と体重移動を連動させる
手首だけで打とうとすると、回転量も安定感も限界があります。サーブも全身を使ってボールに力を伝えることが大切です。
- 体重移動:右足から左足へ体重を乗せながらスイングする
- 体の回転:体幹の回転と腕のスイングを連動させる
- サーブ後の準備:反動を利用して素早く元の体勢に戻り、3球目攻撃に備える
体全体を使うことで、腕だけで出すより安定感が増し、強力なYGサーブへと近づきます。
- 構えの段階で手首を内側に曲げ、脇を開けてバックスイングを仕込む
- 垂直トスを守りながら、ボールを体の近くに引きつけて打つ
- インパクト直前まで脱力し、手首の可動域を最大限に活かす
- 肘を支点に手首スナップを一気に解放して回転をかける
- 体重移動と体の回転を連動させ、全身でボールに力を伝える
YGサーブがうまくいかないときの改善策
YGサーブは独特のスイング軌道を持つため、最初はミスが続くのが普通です。ここではよくある失敗パターンを原因別に整理し、すぐ試せる改善策を紹介します。
空振りしてしまう場合の改善策
空振りの主な原因は、打球ポイントがバラバラになっていることです。YGサーブのスイングは他の技術にない独特の動きなので、まずは当てる感覚を段階的に身につけましょう。
- 正面を向いてバックサーブに近いフォームで練習する:ラケットを左から右にスイングし、フォア面でボールを捉える感覚を先に習得します。
- 体の近く(脇の下あたり)で打球する:打点を体に近づけることで、毎回同じポイントで捉えやすくなります。
- 肘を上げて打球スペースを確保する:肘が下がるとスペースがなくなり、空振りが一気に増えます。
ボールが高くバウンドしてしまう場合の改善策
相手に浮いたボールを渡してしまうと、強打されるリスクが高まります。高いバウンドの原因は打点・ラケット面・姿勢の3点です。
- 姿勢を低くし、できるだけ低い打点で捉える:目線をテーブルに近づけるイメージで構えます。
- ラケット面を水平に近づける:特に逆横下回転を出すときは、面が立ちすぎると上方向の力が加わってしまいます。
- 自コートのエンドライン付近でバウンドさせる:手前でバウンドするほど相手コートで高く弾みやすくなります。できるだけ自分側のエンドラインに近い場所でバウンドさせましょう。
回転がかからない場合の改善策
回転量が少ないと相手に読まれやすくなり、YGサーブの最大の武器が活かせません。原因は手首のタメ不足とボールの捉え方にあります。
- バックスイング時に体側へ大きくタメを作る:タメが小さいと振り幅が足りず、回転量が弱くなります。タメた分だけ一気に外側へ振り抜きましょう。
- ラバーでボールを薄く捉えて「擦る」感覚を意識する:押し当てるように厚く当てると回転がかかりません。
- 手・腕の力を抜いてリラックスする:力が入ると手首のスナップが死んでしまいます。脱力して手首を最大限に使いましょう。
グリップが合っていない場合の持ち方の見直し方
グリップが正しくないと、どれだけスイングを改善しても手首のスナップが十分に使えません。まずグリップを確認しましょう。
シェークハンドの場合
3本指をラケットから離し、人差し指と親指でラバーの根元を挟むピンチグリップになっているか確認してください。握り込みすぎると手首の可動域が狭まります。
ペンホルダーの場合
親指と中指でしっかりラケットを支えられているかを確認します。グリップが後ろ側に隠れてしまうと、スナップが使えなくなります。
違和感がある場合は、スイング方向に合わせて指の位置を微調整してみましょう。前方スイング用・横方向スイング用で指の位置を少し変えるだけで、振りやすさが大きく変わることがあります。
- 肘を下げたまま打球しようとする(空振り・擦り損ねの原因)
- 力を入れてグリップを強く握りすぎる(手首のスナップが使えなくなる)
- トスを体から遠くに上げてしまう(打球ポイントがブレて回転がかからない)
- 自コートの手前でバウンドさせてしまう(相手コートで高く弾んで攻め込まれる)
- 空振りは「肘を上げて・体の近くで打球」で改善できる
- 高いバウンドには「低姿勢・面を寝かせる・エンドライン付近でバウンド」の3点を意識する
- 回転をかけるには脱力と薄く擦る感覚が重要
- グリップはシェーク/ペン別に確認し、スイング方向に合わせて微調整する
YGサーブのメリット
習得の難しさに見合うだけの強みが、YGサーブにはあります。回転の読まれにくさ・回転量・長さの判断難易度・3球目攻撃との相性の良さ、この4点が試合での優位性を高めてくれます。
メリット①:回転の種類が相手に読まれにくい
YGサーブの最大の強みは、同じフォームから複数の回転を出し分けられる点です。逆横回転・逆横上回転・逆横下回転・ナックル(無回転)を使い分けられます。
手首を大きく使う独特の動作のため、上回転か下回転かの判断が初〜中級者には非常に難しくなります。受け慣れている選手自体が少ないので、経験不足からレシーブが甘くなりやすいのも大きな利点です。
メリット②:強烈な回転をかけられる
手首を大きく使える構造上、バックサーブや巻き込みサーブよりも強い逆横回転を生み出しやすいのがYGサーブの特徴です。
強い回転は相手のラケット角度をコントロールしにくくさせ、レシーブの選択肢を絞る効果があります。結果として返球が長くなりやすく、3球目攻撃のチャンスボールを引き出しやすくなります。
メリット③:長さがわかりにくくサービスエースが狙える
YGサーブは回転の種類だけでなく、ショートかロングかという長さの見極めも難しいサーブです。回転と長さの両方を同時に判断しなければならず、受け慣れていない相手には直接サービスエースを狙える場面もあります。
特にYGサーブへの対戦経験が少ないベテラン層の選手は、対応が遅れやすい傾向があります。
メリット④:フォア側への返球を引き出しやすい
逆横回転(左回転)はラケットに当たると、相手の左側=自分のフォア側に飛びやすい性質があります。フォアハンド主体の選手にとって、3球目をフォアドライブで仕掛けやすい状況を作れます。
返球コースをある程度予測して構えられるため、3球目攻撃の準備が的確にしやすくなります。
- 回転が読まれにくい:同じフォームから複数の回転を出し分けられる
- 強い回転量:手首の使い方で他のサーブより強烈な逆横回転を生み出せる
- 長さの判断も難しい:回転+長さの二重の読みにくさでサービスエースも狙える
- 3球目攻撃と相性が良い:フォア側への返球を引き出しやすく、次球の準備が整えやすい

YGサーブのデメリット
YGサーブを習得する前に、デメリットをしっかり把握しておくことが大切です。自分のプレースタイルに合うかを見極めてから取り組むことで、練習の方向性が定まりやすくなります。
デメリット①:習得難易度が高い
YGサーブは「最後に覚えるべきサーブ」と称されることがあるほど、難易度が高い技術です。スイングが他の技術にない独特の動きのため、習得には時間と反復練習が欠かせません。
特に多い悩みは以下の3つです。
- 下回転がかからない:スイング方向が合っていない
- ショートサーブにならない:タッチが強くなりすぎている
- 空振りが多い:ラケット面とボールの接触点がずれている
難易度の高さを示すように、トップ選手でもYGサーブを全く使わない選手が一定数います。「出せると武器になる」一方で、合わないと感じたら別のサーブを磨く選択肢も十分あります。
デメリット②:3球目攻撃の体勢を作りにくい
YGサーブは大きな手首・肘の動きを伴うため、サーブ後に素早く構え直す時間が短くなりがちです。返球への対応が一瞬遅れるリスクがあります。
また、逆横回転の回転軸がジャイロ回転(ボールの進行方向を軸とした回転)に近くなりやすく、強烈な回転を残されてレシーブされると3球目が難しくなる場面があります。
さらに、コースがバック側に偏りやすいという特性もあります。フォア側へコントロールするには、相応の練習が必要です。
- 3球目攻撃がある程度できていないと、YGサーブを出すことで逆に不利になるリスクがある
- サーブ後の構え直しが遅れると、相手のレシーブに対応できない場面が増える
- フォア側へのコントロールは上達が必要で、最初はバック側に偏りやすい
- YGサーブは習得難易度が高く、時間と反復練習が必要
- サーブ後の構え直しが遅れやすく、3球目攻撃の準備が難しい
- 合わないと感じたら、巻き込みサーブなど別の選択肢も検討する価値がある
YGサーブが向いている選手・向いていない選手
デメリットを踏まえたうえで、YGサーブと相性が良い選手・そうでない選手の特徴を整理します。以下に当てはまるほど、習得する価値は高いといえます。
| 特徴 | 理由・相性の良さ |
|---|---|
| フォアハンド主体のスタイル | 逆横回転でフォア側に返球が集まりやすく、3球目フォアドライブ・スマッシュを狙いやすい |
| 手首の柔らかい選手 | 独特のスイングに必要な可動域を活かせる |
| チキータが得意な選手 | YGサーブは「フォア面でサーブ時に行うチキータ」と考えられるため、動きを転用しやすい |
| 台上処理が得意・安定性重視 | バックハンドYGとの相性が良く、ストップ・フリックへの対応もしやすい |
手首の強さや柔軟性が必要なため、女子選手の使用者が比較的少ないという見解も一部の指導者から聞かれます。ただし「女子選手に向かない」という公式な根拠はなく、あくまで体格や身体的特性に関する現場の傾向として語られる意見です。実際に習得している女子選手も存在します。
YGサーブを使った効果的な戦術パターン
YGサーブは「回転をかけて相手をミスさせる」だけでなく、3球目以降の展開を自分でコントロールするための戦術サーブです。返球コースを予測した上で仕掛ける4つのパターンを解説します。
フォア前への逆横下回転YGサーブからの3球目攻撃
フォア前へ短く出すYGサーブは、相手のチキータ(台上でドライブをかけるレシーブ技術)を物理的に封じやすいコースです。バウンドが低く短いほど、相手は打点を作りにくくなります。
引き出したいのは、相手のストップやツッツキ(下回転でつなぐレシーブ)。浮いた返球を3球目でフォアドライブに持ち込むのが基本の流れです。
出す際は体を少し開き、ストレート方向にコンパクトなスイングを心がけると、フォア前へコントロールしやすくなります。
バック側への逆横下回転YGサーブからの展開
バック側へのYGサーブは、回転の影響で相手の返球がミドル〜バック寄りに集まりやすい傾向があります。その返球コースを読んで3球目の回り込みフォアドライブに備えましょう。
バリエーションとして、3球目にシュートドライブ(右方向に曲がるドライブ)でバックを攻め、5球目でフォアを狙う展開も有効です。
チキータを多用してくる相手には、ロングYGを時折混ぜてテンポを狂わせると効果的です。
チキータを封じるためのYGサーブ活用法
低めの逆横下回転YGサーブは、チキータを抑制する効果が期待できます。バウンドが低いほど、相手は台上で安定した打点を取りにくくなるためです。
フォア前とバックサイドにバランスよくコースを散らすと、相手は次にどこへ来るか予測しづらくなります。コースと長さを読ませないだけでも、チキータ封じとして十分機能します。
相手のレシーブ癖を読んだコース打ち分け
YGサーブは「出して終わり」ではなく、相手のレシーブ傾向を複数球観察してから仕掛ける戦術型サーブです。まず以下の点を確認しましょう。
- 毎回ツッツキで返してくるか、積極的にフリックを狙うか
- クロス方向に流す癖があるか
- チキータを多用してくるタイプか
相手のタイプ別に、狙うコースの目安は次のとおりです。
| 相手のタイプ | 狙うコース | 3球目の狙い |
|---|---|---|
| フォア主戦型 | バック側に横回転 | 回り込みフォアドライブ |
| バック主戦型 | フォア前に短く | チキータを封じて浮き球を叩く |
| ペンホルダー | ミドル〜バックへ横回転 | 体勢を崩してから強打 |
- フォア前への短いYGで相手のチキータを封じ、3球目フォアドライブを狙う
- バック側へのYGで返球コースを予測し、回り込みやシュートドライブにつなげる
- ロングYGを混ぜてテンポを変え、相手のレシーブを不安定にさせる
- 相手のレシーブ癖を観察し、コースと長さを散らして展開を主導する

YGサーブのレシーブ対策
YGサーブを受ける側として、どう対応すればよいかを整理します。横回転の方向を正しく見極めることが、レシーブ成功の最大の鍵です。
YGの逆横回転はラケットに当たると自分のバック側へ飛びやすいため、なんとなく感覚で返すとコントロール不能になります。まずボールの回転方向を見極めてから返球方法を選択しましょう。
ショートYGへの対応策
短く低い逆横下回転YGには、ツッツキやストップが有効です。打点を落として回転の影響を小さくすることを意識しましょう。
- ストップ:台上でバウンドが2回するよう短く返す。相手の3球目攻撃を封じる効果がある
- ツッツキ:下回転で返球する。打点を落とし、ラケット面をやや上向きにして横回転を相殺する方向に調整する
- チキータ(上級者向け):回転に乗せてより強く返球できる選択肢。回転方向を利用して打つため、習得すれば逆に攻撃に転じられる
ロングYGへの対応策
台の奥まで伸びてくるロングYGには、両ハンドのドライブで対応します。
- フォアドライブ:ボールの外側(右側面)を捉えて打つ。横回転の影響でラケットが流れるのを補正する
- バックドライブ:ボールの内側を捉えて打つ。早いタイミングで捉えると返球が安定しやすい
回転を見極めるための練習方法
YGサーブへの対応力を上げるには、回転を見極める経験を積むことが最も効果的です。
- 練習パートナーにYGサーブを繰り返し出してもらい、回転の種類を当てる練習をする
- まずツッツキ・ストップのみで返す練習から始め、回転への感覚を身につけてからチキータを加える
- 相手のスイング方向(内側から外側へ)とラケット面の角度を観察するクセをつける
- 逆横回転の方向を見極めることが最優先。なんとなく返すと自分のバック側へ飛ぶ
- ショートYGにはツッツキ・ストップが基本。上級者はチキータで攻撃に転じる
- ロングYGには両ハンドドライブで対応。フォアは外側、バックは内側を捉える
- 練習パートナーに繰り返し出してもらい、回転の種類を見極める経験を積む
YGサーブのレベル別練習方法
YGサーブは一度に全部マスターしようとすると挫折しやすい技術です。段階を踏んで習得することが、最短ルートへの近道になります。自分のレベルに合ったステップから始めましょう。
初心者向け:回転のかけ方を単体で繰り返す段階練習
まずは「ボールに当てること」と「回転をかけること」を切り分けて練習します。いきなり完成形を目指さず、感覚を一つずつ積み上げていくのがポイントです。
- 台なしで玉突き練習:YGのフォームでボールを連続して打ち、ラバーで薄く捉える感覚を養います。肘から先を動かすことを強く意識してください。
- 正面向きの構えから出す:バックサーブのような正面向きの構えで、ラケットを左から右へスイングしてフォア面でボールを捉える練習をします。横向きより動作を確認しやすい体勢です。
- 通常の横向き構えから出す:正面向きで感覚をつかんだら、実際の構えへ移行します。飛ばす距離が変わるため、体の重心移動を意識しましょう。
中級者向け:コースを限定したサーブ安定化練習
回転がかけられるようになったら、次は「狙った場所に出す」精度を高めます。コースと回転の組み合わせを体に染み込ませることが目標です。
- マーカーを活用した精度練習:相手コートに紙やテープを置き、狙った位置に入れる練習をします。フォア前・バック前・フォア奥・バック奥の4箇所を設定しましょう。
- 短い・長いの打ち分け:2バウンド目が台を超えない「短いサーブ」と、台の奥ギリギリに落とす「長いサーブ」を明確に区別して出せるようにします。
- 3種類の回転を同じフォームで出す:下回転・上回転・ナックル(無回転)をフォームを変えずに出し分けられるまで繰り返します。
- サーブ後のフットワーク:出した後、素早く元の体勢に戻る動きもセットで練習しましょう。
上級者向け:3球目攻撃まで含めたパターン練習
サーブは出すだけでなく、その後の展開とセットで練習することで初めて実戦で使えるようになります。パートナーと一連の流れを繰り返しましょう。
- パターン①:フォア前への逆横下回転YGサーブ → 相手ツッツキ → フォア強打
- パターン②:バック側への逆横下回転YGサーブ → 相手返球(ミドル〜バック寄り)→ 回り込みフォアドライブ
相手のレシーブ傾向を読み、あらかじめ3球目のコースを絞って待つ「戦術的サーブ」として使いこなすのが最終目標です。
また、試合形式(1セット練習・多球練習との組み合わせ)でYGサーブを使う機会を意識的に増やし、緊張感がある場面でも自然に出せる状態を目指しましょう。
- 初心者:玉突き → 正面向き → 横向きの順で感覚を段階的に積み上げる
- 中級者:マーカー設置・回転3種類の出し分け・フットワークをセットで練習する
- 上級者:3球目攻撃まで含めたパターン練習で、戦術的サーブとして使いこなす
よくある質問
YGサーブは初心者でも習得できますか?
習得は可能ですが、難易度は高めです。「最後に覚えるべきサーブ」と称されるほど独特なスイングが必要なため、まず基本技術を一通り身につけてから挑戦するのが効率的です。
練習は玉突き→正面向きで素振り→通常の構えで打つという段階を踏むと取り組みやすくなります。最初から強い回転を狙うより、フォームの安定とコースのコントロールを優先しましょう。横回転の感覚さえつかめれば、初心者でも十分に武器になります。
YGサーブの返し方・レシーブのコツは何ですか?
横回転の方向を正しく見極めることが最重要です。YGの逆横回転はラケットに当たると自分のバック側へ飛びやすいため、なんとなく感覚で返すとコントロール不能になります。
返球の基本は以下の通りです。
- ショートYG(下回転系):ツッツキやストップが有効。打点を落として回転の影響を小さくする
- チキータ:回転に乗せてより強く返球できる上級者向けの選択肢
- ロングYG:両ハンドのドライブで対応。フォアドライブではボールの外側、バックドライブでは内側を捉える
フォアハンドとバックハンドのYGサーブはどちらから練習すべきですか?
一般的にはフォアハンドYGから習得するケースが多いです。大きなスイングで強い横回転を出しやすく、回転の感覚をつかみやすいためです。
ただし、プレースタイルによって向き・不向きがあります。
- フォアハンドYG:3球目攻撃を重視する攻撃型の選手に向いている
- バックハンドYG:構えが自然でバレにくく、短いサーブを安定して出したい選手に向いている
指導者によって推奨が異なる場合もあるため、所属クラブのコーチにも相談してみてください。
YGサーブを試合で使うにはどのくらい練習が必要ですか?
個人差が大きく一概には言えませんが、「相当な練習が必要」という点は多くの指導者が一致しています。張本智和選手がYGを全く出せない状態から猛練習でエースサーブにした事例が知られているように、継続的な反復練習が欠かせません。
試合で使えるようになるまでの大まかな流れは以下の通りです。
- 基本フォームの確立
- 回転量の安定化
- コースと長さの精度向上
- 試合形式での実戦投入
焦らず各段階をクリアすることが、最短ルートになります。
YGサーブに向いているラケット・ラバーはありますか?
グリップ力(摩擦力)の高い裏ソフトラバーが向いています。回転性能が高いラバーを使うと、YGサーブ特有の横回転をより質高く出せます。
ただし、公式大会に出場する場合はITTF(国際卓球連盟)公認品を使用する必要があります。日本卓球協会の競技規則でも使用ラバーの規定が定められているため、購入前に確認しましょう。
(出典: 日本卓球協会「競技規則(2025年6月1日改定)」)

まとめ
この記事では、YGサーブの出し方から安定させるコツ、戦術的な活用法まで幅広く解説してきました。ポイントを整理して、これからの練習に役立ててください。
- YGサーブとは:YG=ヤングジェネレーション。1990年代に欧州で生まれた逆横回転フォアサーブで、現在は世界標準の技術
- 出し方の核心:手首を内側に最大限曲げ、戻す動きで逆横回転をかける。グリップ→構え→トス→スイングの順に一つひとつ身につける
- 種類の出し分け:逆横下回転(最初に習得)→逆横上回転→ナックル→ロングの順に難易度が上がる
- 安定化の5コツ:①手首・脇の事前準備 ②体の近くにトス ③余分な力を抜く ④手首スナップを最大化 ⑤体全体を使う
- よくある失敗への対策:空振りは正面向き練習から、回転がかからない場合はタメと薄擦りを見直す
- 戦術活用:得点だけを狙うサーブではなく、3球目攻撃に繋げる戦術型サーブ。フォア前→チキータ封じ、バック側→回り込みドライブが定番
- 練習ロードマップ:玉突き→正面向きで出す→通常構え→コース精度→3球目パターンの順で段階的に進める
YGサーブは、慣れるまでのスイングが独特なぶん、最初は戸惑うことも多いです。
しかし、手首の動きと薄く擦る感覚さえ身につければ、相手を崩せる強力な武器になります。焦らず段階を踏んで練習を重ねていきましょう。
サーブ技術をさらに磨きたい方は、以下の関連記事も参考にしてください。
- 卓球のサーブのルールを完全解説|反則なく自信を持って打つために
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