卓球の打ち方は大きく分けると10種類以上の技術が存在し、それぞれ使う場面と目的が異なります。
「何から練習すればいいかわからない」と感じている方は、まず全体像を把握することが上達への近道です。
この記事では、ドライブ・スマッシュ・ツッツキ・カットなど主要な打ち方を体系的に整理し、初心者が優先すべき技術から中級者向けの応用技術まで順を追って解説します。自分に合った技術を見つける参考にしてください。

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卓球の打ち方は大きく5カテゴリーに分類できる
卓球の打ち方は数多くありますが、大きく5つのカテゴリーに整理すると、全体像がグッとつかみやすくなります。自分が今どの技術を学んでいるのかがわかると、練習の方向性も定まります。
5つのカテゴリーは以下のとおりです。
- 攻撃系:ドライブ・スマッシュなど、得点を狙う技術
- 守備・つなぎ系:ブロック・ツッツキなど、ラリーを続ける技術
- カウンター・応用系:カウンター・流しなど、相手の球を利用する技術
- サーブ:試合の起点となる技術
- レシーブ:サーブに対応する技術
この記事では、各カテゴリーを順番に詳しく解説しています。全部を一度に覚える必要はありません。自分のプレースタイルや習熟度に合わせて、気になる技術から読み進めてみてください。
ラケットとラバーの基礎知識
打ち方を学ぶ前に、道具の基本を押さえておくと技術の理解が深まります。ラケットとラバーの選択は、打ち方そのものに直結する重要な要素です。
フォアハンドとバックハンドの違い
卓球の打ち方はすべて、フォアハンドとバックハンドのどちらかで行います。フォアハンドはラケットを持つ手の甲が外側を向く打ち方で、自然に大きなスイングが取れるため威力を出しやすいのが特徴です。バックハンドはラケットを持つ手の手のひら側で打つ方法で、体の前でコンパクトに操作できるため素早い対応に向いています。
ほとんどの技術にはフォアハンド版とバックハンド版の両方があります。試合では両方を状況に応じて使い分けるため、どちらの感覚も早い段階から養っておきましょう。
ラケットの選び方
ラケットは大きくシェークハンドとペンホルダーの2種類に分かれます。シェークハンドは握手をするように持つタイプで、フォアとバックを均等に使いやすいため現代卓球の主流です。ペンホルダーはペンを持つように握るタイプで、フォアハンドを中心に攻撃的なプレースタイルに向いています。
初心者にはシェークハンドがおすすめです。フォアとバックの切り替えがしやすく、この記事で紹介するほとんどの技術をそのまま習得できます。
ラバーの特性と選択
ラバーの種類は打球感覚に大きく影響します。主な種類は以下の3つです。
- 裏ソフトラバー:表面がフラットで回転がかけやすく、ドライブやツッツキなど回転系技術に最適。初心者から上級者まで幅広く使われる最もポピュラーなラバー
- 表ソフトラバー:表面に粒が出ており、スピードが出やすい反面、回転はかかりにくい。ミート打ちとの相性が良い
- 粒高ラバー:細長い粒が立っており、相手の回転を変化させて返球できる。主に守備型やカットマンが使用する
初心者は裏ソフトラバーを両面に貼った構成からスタートするのが基本です。回転の感覚を身につけやすく、この記事で解説するすべての技術に対応しています。

【攻撃系】得点を取る打ち方の種類とコツ
攻撃系の技術は、試合で直接得点に結びつく打ち方です。代表的な技術は以下の5つ。攻撃の中心はドライブで、他の技術はそこからの派生や補完として位置づけられます。
- ドライブ:前進回転をかけた基本の攻撃打法
- スマッシュ:回転なしで一直線に打ち抜く速攻打法
- ミート打ち:押し出すように打つフラット系打法
- フリック:台上の短いボールを払う台上攻撃
- チキータ:バック側台上から横回転をかけるレシーブ攻撃
ドライブ:卓球の基本となる回転攻撃
ドライブは、ラケット面をボールの上面に被せるように振り上げ、前進回転(トップスピン)をかけて打つ技術です。スマッシュとの決定的な違いは「回転の有無」。回転があることでボールが台に急降下し、安定感と威力を両立できます。
共通のコツをまとめます。
- 打点:バウンドの頂点〜頂点直後が理想
- ラケット角度:約45°に傾けてボールを斜め上からこすり上げる
- スイングの終わり:おでこ〜左耳付近を意識する
- 下半身:体重移動と腰の回転で上半身に力を伝える

スピードドライブ
回転よりスピードを重視した、直線的な弾道のドライブです。ラケット面を約45°に被せ、前方へ力強く振り抜きます。高さのあるボールや弱い下回転に有効です。
打った後に相手がブロックで返してくることが多いため、打ち終わりと同時に次の準備に入る意識が大切です。
ループドライブ
スピードを犠牲にして回転量を最大化した、山なり弾道のドライブです。強い下回転や低いボールに対して「下から持ち上げる」感覚で打ちます。カットマン相手に特に威力を発揮します。
- 中途半端な威力だと、相手にカウンタードライブを狙われやすい
- しっかりとこすり上げてコースを突くことがポイント
カーブドライブ
ボールの横を擦ることで横回転を加え、弧を描くように曲がる軌道を生む打法です。基本のドライブスイングに、ラケットを自分側に引き込む動きを足すだけで習得できます。コースの変化で相手を揺さぶるのに役立ちます。
シュートドライブ
カーブとは逆方向——右利きなら右(相手のフォア側)——に曲がるドライブです。逃げていく軌道で意表をつける、戦術的な一打として機能します。フォア側の広いスペースを攻めたいときに有効です。
ナックルドライブ
強いドライブのフォームで打ちながら、実際はほぼ回転をかけない打法です。上回転を予測した相手がブロックするとネットにかかりやすくなります。
裏面ドライブ
ペンホルダーがラケットの裏面に貼ったラバーを使って打つドライブです。シェークハンドと同等のバックハンド攻撃を可能にする技術で、現代の中国式ペン選手が積極的に取り入れています。
裏面を活用することで、バックへの攻撃の幅が大きく広がります。詳しくは卓球の中国式ペンとは?|特徴・持ち方・ラケット選びを徹底解説もご覧ください。
スマッシュ:スピードで一撃必殺を狙う打ち方
スマッシュは回転をかけず、一直線に速く飛ばす技術です。ドライブとの違いはまさにここ——回転がない分、弾道が直線的で初速が非常に速くなります。
ただし使える場面は限られます。ネットより高く浮いたボール限定の技術で、低いボールに強振すると確実にネットミスになります。
- ラケット角度:少し被せ気味に設定してボールを抑える
- 打点:バウンドの頂点で打ち抜く
- スイング:バックスイングはコンパクトにしてコントロール優先
- 体重移動:右足から左足へ重心を移しながら腰の回転を使う
バックハンドスマッシュは、体の近くやバック側に来たボールで回り込む余裕がないときに限って使う技術です。チャンスボールの決め球としてはフォア側が基本です。
ミート打ち:回転より威力を重視したフラット打法
ミート打ちは、ボールをこすって回転をかけるのではなく、押し出すように打つフラット系の打法です。弱い上回転がかかり、初速が速いのが特徴。バックに表ソフトラバーを使う選手がよく多用します。
コツは、小さいモーションでコンパクトに押し出すイメージです。練習の最初に行うフォア打ち(ラリー練習)の感覚に近く、初心者が最初に覚えやすい攻撃技術でもあります。
フリック:台上の短いボールを攻撃に転じる打ち方
フリックは、台上でバックスイングが取れない状況でも、コンパクトに払うように打って上回転をかける台上攻撃技術です。フォアハンド・バックハンドのどちらでも使えます。
- 体をボールに近づける:足を台の下に入れてしっかり近づく
- 手首のひねり:コンパクトなスイングに手首の返しを加える
- 使う場面:ショートサーブを守備的なストップではなく攻撃的に返したいとき
スピードや威力はドライブほど出ませんが、相手との距離が近い分だけ相手を詰まらせてポイントを奪いやすいのが強みです。
チキータ:バック側台上から強烈な横回転をかける技
チキータは、台上の短いボールに対してバックハンドで横回転をかけながら攻撃するレシーブ技術です。ボールがバナナのように曲がる弾道が名前の由来とされています。
チェコのピーター・コルベル選手が開発し、2011年世界選手権で張継科選手が多用して優勝したことで世界中に普及。今や現代卓球のスタンダード技術です。
チキータのコツはこの3点です。
- 足をしっかり前に出してボールに近づく
- 手首を高速で返すラケットコントロールを磨く
- ボールの左側を触ると横回転強め、真後ろを触るとスピード重視、と触る位置で調整する
メリットは、相手のサーブの回転に影響されにくく、レシーブから先手を取れること。コースも読まれにくいため、相手が対応に苦しみます。主に相手バック側への短い下回転・横下回転サーブへのレシーブで使います。
- チキータだけに頼ると「チキータ封じ」のサーブで対策されやすい
- ストップやツッツキと組み合わせることで相手の的を絞らせないことが重要
- ドライブは攻撃の軸。スピード・ループ・ナックルなど変化をつけて使い分ける
- スマッシュは浮いた高いボール限定。コンパクトなスイングでコントロール優先
- ミート打ちはフラット系で初速が速く、初心者も取り組みやすい
- フリックは台上で攻撃に転じる技術。足を前に出してボールに近づくのがコツ
- チキータは強力なレシーブ武器だが、ストップやツッツキとの組み合わせが必須

【守備・つなぎ系】ラリーを続ける打ち方の種類とコツ
守備・つなぎ系技術は、相手の攻撃を受け止めてラリーを続けるための技術群です。ブロック・ツッツキ・カット・ストップ・プッシュ・ロビングの6種類が代表的。得点を取るだけが卓球ではありません。守備技術で相手のミスを誘うことも、立派な得点への道です。
ブロック:相手の攻撃を受け止めて返す基本守備
台から離れずに、ドライブやスマッシュを受け止めて返球する守備技術です。スマッシュはスピードが速いぶん、正確な位置にラケットを置いておけばボールの勢いで自然と返球できます。
最大のコツは「どこにボールが来るかを予測すること」。ラケット面を安定させ、ボールの勢いをうまく利用しましょう。
相手のドライブ・スマッシュへの対応全般に使う、守備の基本として初心者が最初に覚えたい技術の一つです。
ツッツキ:下回転をそのまま返す基本つなぎ技術
下回転のかかったボールに対し、ラケット面を上向きにして押し出すように返球する技術です。「ボールをつっついているように見える」動作が名前の由来とされています。試合で最も使用頻度が高い技術の一つといっても過言ではありません。
ストップとの違いは、台から1バウンドで出るロング系の返球になる点です。ストップより強い下回転と速いボールが打てますが、相手にドライブを打たれるリスクも上がります。
- 体の正面でボールを捉える
- ラケット面は斜め30度程度の上向き
- コンパクトに押し出してオーバーミスを防ぐ
カット:強い下回転で相手の攻撃を封じる打ち方
台の外でラケットを上から下に振り下ろし、強い下回転をかけて返球する守備技術です。主にカットマン(カット主戦型の選手)が使います。ツッツキとの大きな違いは「台の外で打つ」「ラケットを上から下に振り下ろす」点です。
- 広いスタンスで姿勢を低く保つ
- ラケットをほぼ垂直に近い角度にして下から上にこすり上げる感覚で打つ
- 手首を活用して回転量を高める
強い下回転で相手のドライブをネットに引っかけさせ、ミスを誘うのがカットマンの戦術の核心です。
ストップ:短く返して相手の攻撃を封じる技
台上に短く落とすことで、相手に大きくスイングさせない守備的な台上技術です。打ち方の基本はツッツキと同じですが、より力を抑えて返球します。
膝のクッションを使ってボールの勢いを吸収するイメージで打つと、短く収まりやすくなります。相手のサーブや短いボールに対して「攻撃させないためのつなぎ」として多用される技術です。
- チキータ(台上の強打技術)で先手を打たれるリスクがある
- 相手の返球パターンを読みながら使うことが大切
プッシュ:バック側でボールを押し返す守備打法
バックハンド側でボールを押すように返球する守備技術です。コンパクトなスイングでボールを押し返す感覚が基本で、大きく振らないのがポイント。
主にバック側への短いボールや早いテンポのボールへの対応で使います。台上でも台外でも対応できる汎用性が強みで、つなぎの安定感を高めてくれる技術です。
ロビング:大きく高いボールで時間を稼ぐ打ち方
山なりの高いボールで返球する技術です。下から上に持ち上げるようにポーンと打ち上げ、相手のスマッシュが徐々に球威を落としてきた局面で活きます。
台から大きく下がり、威力が落ちてきたところを返球することで相手のミスを誘えます。スマッシュのミスが多い相手に対して特に有効な戦術です。
- 相手に連続スマッシュのチャンスを与えてしまうリスクがある
- 相手がスマッシュを得意とする場合は逆効果になることも
- ブロック:ドライブ・スマッシュをラケット面で受け止めて返す基本守備
- ツッツキ:下回転のボールを下回転のまま押し出して返す最頻出技術
- カット:台外で上から下に振り下ろし強い下回転をかけるカットマンの核心技術
- ストップ:台上に短く返して相手の攻撃を封じるつなぎ技術
- プッシュ:バック側でコンパクトに押し返す汎用守備打法
- ロビング:高い山なりボールで時間を稼ぎ相手のミスを誘う
【カウンター・応用系】中上級者が使う打ち方の種類とコツ
カウンター・応用系の技術は、攻撃と守備の境界線上に位置する中上級者向けのテクニックです。ここではカウンター・流し・フィッシュの3技術を解説します。これらを身につけることで、相手の裏をかく戦術の幅が一気に広がります。
カウンター:相手の攻撃を叩き返す高難度技術
カウンターとは、相手のドライブやスマッシュの勢いをそのまま利用して、ドライブで打ち返す技術です。うまく決まれば非常に攻撃的な返球になります。
成功の核心はタイミング管理です。相手ボールの勢いに乗せて返すため、インパクトの瞬間がわずかにズレるだけでミスにつながります。リスクが高い技術なので、狙うかどうかの判断力も同じくらい重要です。

流し:コースを変えて相手の体勢を崩す打ち方
流しとは、来たコースとは違う方向にボールを流して返球することで、相手のフットワークや体勢を崩す技術です。
コツは打球直前のラケット面の微調整にあります。スイングの方向を変えるのではなく、面の向きを少し変えるだけでコースが変わります。相手の重心移動を読んで、逆を突くイメージで使いましょう。
フィッシュ:バックで粘りながら返す守備的応用技
フィッシュとは、台から大きく離れてバックハンドで返球し続ける守備的な粘り技術です。よく似たロビングと比べると、弾道が低く回転量も異なります。
相手のスマッシュに対して時間を稼ぎながら粘り、相手のミスを引き出すのが基本的な狙いです。焦らず安定した返球を続けることが求められます。
- 台から追い出された後に粘りたいとき
- バックハンドで守備的なスタイルを表現したい選手
- カットマン的な粘りをバックサイドで使いたいとき
- カウンターを速いスマッシュに対して強引に狙う(タイミングが合わずミス連発になりやすい)
- 流しで面の向きではなくスイング方向だけを変えようとする(コントロールが安定しない)
- フィッシュで前のめりになって台に近づいてしまう(返球スペースが取れなくなる)

【サーブ】回転の種類と打ち方のコツ
サーブは、唯一相手の影響を受けずに自分の思い通りに打てる技術です。試合の主導権を握るために、最初に力を入れて磨くべき技術といえます。
サーブは「回転・フォーム・距離(ショート/ロング)・トスの高さ」の4要素を組み合わせて構成されます。この章では回転の種類とフォームの種類の2軸で整理して解説します。
また、サーブには「3球目攻撃」という重要な戦術があります。サーブ→相手のレシーブ→3球目で攻撃して得点する流れで、良いサーブは次の攻撃を有利にします。サーブを磨くモチベーションとして覚えておきましょう。
サーブの回転の種類と特徴
サーブの回転は大きく4種類に分けられます。実戦では「横上回転」「横下回転」のような複合回転が主流ですが、まずは基本の4分類を押さえましょう。
| 種類 | 回転の特徴 | 返球への影響 |
|---|---|---|
| 上回転 | ボールが前向きに進む | 相手コートで前に伸びる |
| 下回転 | バックスピンで手元で止まる | 相手が持ち上げないとネットに落ちる |
| 横回転 | 横方向にカーブする | 予測しないコースに曲がる |
| ナックル | ほぼ無回転 | 不規則な変化でミスを誘う |
上回転サーブ
ラケットをボールの上からかぶせるようにこすり、前向きの回転をかけます。返球が上回転のラリーに繋がりやすく、攻撃的なラリーが得意な選手に向いています。
相手は比較的返しやすいサーブですが、速いロングサーブとして使うと効果的です。
下回転サーブ
ラケットをボールの下にくぐらせるようにこすり、バックスピンをかけます。レシーブしたボールが下に落ちる特性があり、相手が持ち上げないとネットに落ちます。
初心者でも習得しやすく、ナックルサーブとの出し分けで相手を惑わせやすいサーブです。
横回転サーブ
ボールを横方向にこすりカーブさせます。右利きの場合、「順横回転(右に曲がる)」と「逆横回転(左に曲がる)」の2種類があります。
逆横回転はYGサーブ・巻き込みサーブ・バックサーブで出すことが多く、相手のレシーブコースを狂わせる効果があります。
ナックル(無回転)サーブ
回転をほとんどかけないフラットな打ち方です。打つ動作自体はシンプルで初心者でも習得しやすい一方、他のサーブと同じフォームで打たないと相手に見抜かれてしまいます。
下回転サーブと見た目を合わせて出し分けることで、ミスを誘う効果が格段に上がります。
さらに、サーブは距離でも2種類に分けられます。
- ショートサーブ:相手コートで2バウンド以上。強打されにくく、3球目攻撃の起点になりやすい
- ロングサーブ:相手コートで1バウンドのみ。スピードで相手の体勢を崩しやすい
フォームで覚えるサーブの種類
回転の種類だけでなく、打ち方(フォーム)でもサーブを分類できます。それぞれのフォームが持つ特性を知っておくと、自分に合ったサーブを選びやすくなります。
フォアサーブ
フォアハンドで打つ最も基本的なサーブです。初心者の大多数が最初に覚えるサーブで、下回転・上回転・順横回転などさまざまな回転を出せます。
まずはここから練習を始めるのがおすすめです。
バックサーブ
バックハンドで打つサーブです。フォアサーブに比べ使用者は少数派ですが、逆横回転を出しやすい特性があり、相手のレシーブコースを絞らせにくいメリットがあります。
巻き込みサーブ
ラケットを自分の体に「巻き込むように」スイングし、逆横回転をかけるサーブです。同じフォームから横上・横下を出し分けやすく、相手が球種を判断しにくいのが最大の強みです。
3球目攻撃への繋ぎとして非常に使いやすく、中級者にとくにおすすめのサーブです。
しゃがみ込みサーブ(トマホークサーブ)
打球時にしゃがむことで体全体の勢いを使い、強烈な横回転・下回転をかけます。低い姿勢のためインパクトの瞬間が見えにくく、回転の判別が難しいのが大きなメリットです。
- しゃがんだ後に体勢を戻す時間がかかるため、コースが甘いと攻撃されるリスクがある
- 膝への負担が大きいため、ウォームアップをしっかり行うこと
- 難易度が高めで、ある程度フォームが固まってから取り組むのがおすすめ
YGサーブ(ヤングジェネレーションサーブ)
ひじを支点に内から外へスイングして逆横回転をかけるサーブです。1990年代に欧州の若い世代(Young Generation)が使い始めたことが名前の由来で、張本智和選手の得意サーブとしても知られています。
難易度が高く上級者向けですが、同じフォームから下回転・ナックルを出し分けることができ、レシーブミスを誘う効果が高い強力なサーブです。
初心者におすすめのサーブと習得順序
サーブは一度に全種類を練習しても身につきません。習得しやすい順番で積み上げていくことが、上達への近道です。
- ナックル・下回転サーブから始める。習得しやすく、2種類を組み合わせるだけで相手を惑わせられる
- フォアサーブで「低く短く」入れる練習を重ね、コースと長さのコントロールを身につける
- 巻き込みサーブを習得して逆横回転と3球目攻撃の設計を学ぶ
- 中上級者になってからYGサーブ・しゃがみ込みサーブに挑戦する
練習の際は、台がなくても床に向かってラケットを振り、ボールの軌道で回転がかかっているか確認する方法が効果的です。また、トスの高さも重要な要素で、高いトスは回転量を増やせる反面、相手に準備時間を与えます。低いトスは相手の準備を妨げますが、コントロールが難しくなります。
- 回転の基本4種類:上回転・下回転・横回転・ナックル(無回転)
- 実戦では横上回転・横下回転などの複合回転が主流
- 初心者はナックル+下回転の出し分けから始めると効果的
- 巻き込みサーブは3球目攻撃に直結する中級者の必修技
- YGサーブ・しゃがみ込みサーブは中上級者になってから挑戦する
- トスは16cm以上上げること(JTTA競技規則)
【レシーブ】相手のサーブの回転に合わせた返球技術の選び方
レシーブで大切なのは、相手のサーブの回転・長さ・コースを瞬時に判断し、最適な技術を選ぶ判断力です。各打ち方の基礎はすでに学んでいる前提で、ここでは「どの場面でどの技術を選ぶか」に絞って解説します。守備的レシーブと攻撃的レシーブの2軸に、回転判断の視点を組み合わせると選択の迷いが減ります。
守備的レシーブは「安全につなぐ」ことを優先する選択肢です。相手のサーブの長さや回転に応じて、ツッツキ・ストップ・スライドレシーブを使い分けましょう。
- ツッツキ:下回転の長いサーブに対して安全につなぎたいとき。強い下回転と速さで返せる反面、台外に出るため相手にドライブを打たれるリスクがある
- ストップ:台上の短いサーブに対して攻撃させたくないとき。台から出ない短い返球で相手を前に引き出し、3球目以降を優位に進められる
- スライドレシーブ:横回転サーブに対して回転を逃がすように対応する技術。ラケット面を横にずらすイメージで、回転の影響を和らげる
- 守備的レシーブだけに頼ると、相手がドライブ攻撃の起点にしやすくなる
- 攻撃的レシーブと組み合わせることで、相手に読まれにくいレシーブが実現する
攻撃的レシーブは「レシーブから先手を取る」ための技術です。うまく使えば、サーバー有利という従来の図式を崩すことができます。
- フリック:台上の短いサーブでボールが比較的高く浮いているとき。上回転をかけてコンパクトに攻撃する
- チキータ:バック側の短い下回転・横下回転サーブに対して先手を取りたいとき。横回転をかけることで相手サーブの回転の影響を抑えながら攻撃できる
- ドライブレシーブ:長いサーブ(ロングサーブ)に対して台から離れて強打する場面。フォア側のロングサーブには回り込みフォアドライブが特に有効
レシーブで最初にすべきことは、サーバーのラケットの擦り方向とインパクト時の音を観察して回転を見極めることです。回転の種類ごとに適切な対応が異なります。
| 回転の種類 | 適したレシーブ | 注意点 |
|---|---|---|
| 上回転 | ブロック・ドライブ | ツッツキを使うと浮いて危険 |
| 下回転 | ツッツキ・ストップ・チキータ | 「下から上へ」の意識が必要。普通に打つとネットにかかる |
| 横回転 | スライドレシーブ・ドライブ | 回転に引っ張られてコースが逸れやすい。ラケット面の角度調整が必須 |
| ナックル(無回転) | ブロック・軽いプッシュ | 下回転と思って持ち上げるとオーバーミスになりやすい |
- 短いサーブにはストップ・フリック・チキータを状況で使い分ける
- 長いサーブにはツッツキ・ドライブレシーブで対応する
- 守備的と攻撃的を組み合わせて相手に読まれないレシーブを作る
- 回転判断はラケットの動き(擦り方向)と音の観察から始める
打ち方を習得するための効果的な練習方法
打ち方の種類を知っただけでは、試合では使えません。知識をスキルに変えるには、段階を踏んだ練習が必要です。
「ただ数をこなすだけ」では上達はゆっくりになります。目的意識を持って取り組むことで、上達スピードは大きく変わります。ここでは「素振り→多球練習→ラリー練習」の3ステップを解説します。
素振りで正しいフォームと構え方を身につける
素振りはボールを使わないぶん、動作そのものに集中できる最初のステップです。フォームの癖に気づいたり、力の入れ方を確認したりするのに最適です。
特に意識したいのが下半身の回転(腰の回転・体重移動)です。腕だけで振るのではなく、足・腰・腕を連動させる感覚がドライブやスマッシュの威力につながります。
- ドライブ素振りのコツ:振り終わりのラケット位置(おでこ〜左耳付近)を毎回同じにする。再現性が上がり、安定した打球につながる
- サーブ素振りのコツ:台がない場所で床に向かって回転をかけ、ボールが思ったとおりの軌道を描くか確認する
多球練習で技術ごとの感覚をつかむ
多球練習とは、パートナーに球を次々と出してもらいながら、同じ技術を集中して繰り返す練習法です。ミスをしても流れが途切れないため、初心者でも効率よく感覚をつかめます。
ドライブの多球練習では、まず下回転ボールでループドライブを、次に上回転ボールでスピードドライブを繰り返します。回転の種類に合わせた打ち方の感覚が身につきます。
- 下回転ボールを出してもらい、ループドライブを繰り返す
- 上回転ボールに切り替えて、スピードドライブを繰り返す
- サーブ練習ではボールをカゴに大量用意し、回転のかかり具合をその都度確認しながらトライ&エラーを繰り返す
- 安定してきたら「ドライブ対ブロック」など実践に近い2人練習に移行する
実践的なラリー練習で打ち方を定着させる
多球練習で感覚をつかんだら、今度は実戦に近い状況で定着させましょう。相手の返球に対応しながら打つことで、技術が本番でも使える力に変わります。
ドライブ対ブロック練習の場合
一方がドライブを打ち続け、もう一方がブロックするラリー練習です。リズムの変化や球質への対応力が養われ、試合に近い感覚で習熟できます。
サーブ&レシーブ練習の場合
実際の試合と同じ流れで繰り返す練習です。まず同じ回転のサーブを出し続け、レシーブの感覚を固めてから、ランダムな回転に応用するのが基本の順序です。
チキータの習得には以下のステップが効果的です。
- 同じ回転のサーブを繰り返し受け、チキータの感覚を固める
- 合わせ方を理解したら、ランダムなサーブに応用する
- 実戦形式でチキータとツッツキを状況に応じて使い分ける
ドライブ習得ドリルの場合
台の上からボールをゆっくり転がし、エッジ(端)から落ちてくるところを打つ練習です。ボールの上っ面をこする感覚を身につけるのに非常に効果的で、ドライブの初習得期に特におすすめです。
- 素振り:ボールなしで動作に集中し、フォームと体の連動を確認する
- 多球練習:同じ技術を繰り返し、回転・打感の感覚をつかむ
- ラリー練習:実戦に近い状況で技術を定着させ、使い分けを習得する

よくある質問
卓球の打ち方で初心者が最初に覚えるべき技術はどれですか?
まず優先すべきは、攻撃・守備・サーブの基本技術を各1〜2種類に絞って正確に打てるようにすることです。
攻撃はミート打ちとドライブ、守備・つなぎはツッツキとブロックから入りましょう。サーブはナックルサーブと下回転サーブを覚えれば、試合でも十分通用します。
多くの技術を広く浅く練習するより、基礎技術を正確に再現できる安定感を先に身につけることが上達への近道です。慣れてきたら巻き込みサーブなど応用技術へステップアップしていきましょう。
ドライブとスマッシュはどう使い分ければいいですか?
最大の違いは回転の有無と使える場面の広さです。スマッシュは高く浮いたチャンスボールを無回転で一直線に叩く決め球。一方、ドライブは前進回転をかけてボールが弧を描くため、ネット付近の低いボールにも対応できます。
現代卓球ではドライブが主要な得点源となっており、チャンスボール以外でも積極的に使えます。「浮いたボールはスマッシュ、低いボールはドライブ」と覚えておくと判断がスムーズです。
卓球の回転はどうやってかければいいですか?
回転の核心は、ボールに「ぶつける」のではなく「擦る(こする)」感覚で打つことです。
回転の方向ごとに擦る場所が変わります。上回転はボールの上っ面を前方向にこすり上げ、下回転はラケットをボールの下にくぐらせるように擦り、横回転はボールの側面を横方向に擦ります。
まずは素振りでボールを手に持ち、前方向に上回転をかけるイメージで擦る動作を繰り返しましょう。擦る感覚を体に染み込ませてからコートで打つと、習得スピードが上がります。
チキータはどのくらいのレベルから練習すべきですか?
チキータはバックハンドの応用技術です。基本のバックハンドドライブが安定して打てることが前提になるため、中級者以上から取り組むのが効率的です。
習得の目安となる順序は、フォアハンドドライブ→バックハンドドライブ→フリック→チキータの順です。この順番で積み上げることで無理なく身につけられます。
チキータを使いこなせると、相手のサーブに対してこちらから先手を取れるようになり、試合の主導権を握りやすくなるのが大きな魅力です。焦らず基礎を固めてから挑戦してみてください。
サーブの種類が多くて覚えられません。何から始めるのがおすすめですか?
最初はナックルサーブと下回転サーブの2種類だけに絞りましょう。この2種類を同じフォームで出し分けられるようになるだけで、相手を十分に惑わせることができます。
サーブ習得の5段階ステップは次のとおりです。①まず台に入れる ②低さ・長さをコントロールする ③自分のかけた回転を把握する ④同じフォームで2種類以上出す ⑤試合で使う。この順番で少しずつレベルを上げていくのが確実です。
安定したら巻き込みサーブを加えて逆横回転の武器を持ちましょう。YGサーブやしゃがみ込みサーブは中上級者になってから挑戦すれば十分です。
まとめ:自分のプレースタイルに合った打ち方を見つけよう
ここまで紹介した技術を、カテゴリー別に整理して一覧にまとめました。すべてを習得する必要はありません。自分のスタイルや習熟度に合った技術を選んで磨くことが、最速の上達ルートです。この一覧を「自分の地図」として活用してください。
技術カテゴリー別まとめ一覧
記事で紹介した打ち方を5つのカテゴリーに整理しました。まず全体像を把握し、自分が取り組む技術を絞り込みましょう。
| カテゴリー | 技術名 |
|---|---|
| 攻撃系 | ドライブ各種(スピード・ループ・カーブ・シュート・ナックル・裏面)/スマッシュ/ミート打ち/フリック/チキータ |
| 守備・つなぎ系 | ブロック/ツッツキ/カット/ストップ/プッシュ/ロビング |
| カウンター・応用系 | カウンタードライブ/流し/フィッシュ |
| サーブ(回転軸) | 上回転・下回転・横回転・ナックル |
| サーブ(フォーム軸) | フォアサーブ・バックサーブ・巻き込み・しゃがみ込み・YGサーブ |
| レシーブ | 守備的(ツッツキ・ストップ)/攻撃的(フリック・チキータ・ドライブ) |
プレースタイル別:次に取り組む技術の優先リスト
「どれから練習すればいい?」という疑問に応えるため、習熟度とスタイル別に優先順位をまとめました。リストの順番に沿って取り組むと、無駄なく技術が積み上がります。
初心者の場合
- ミート打ち:回転に頼らない基本の打球感覚を身につける
- ドライブ(基本):上回転をかけてラリーを安定させる
- ツッツキ:下回転球をつなぐ守備の基礎
- ブロック:相手の攻撃を台に返す安定技術
- ナックル・下回転サーブ:得点に直結する最初のサーブを習得
中級者(攻撃型志向)の場合
- スピードドライブ:直線的な速さで相手を崩す
- ループドライブ:回転量を高めてつなぎを強化
- フリック:短い球をすばやく攻撃に転換
- チキータ:レシーブを武器化する横・下回転技術
- 巻き込みサーブ:横回転を混ぜてレシーブを乱す
中級者(守備型志向)の場合
- カット:強い下回転で相手の攻撃を封じる
- カットブロック(ブロック応用):台上での回転変化で揺さぶる
- ストップの精度向上:短く低く返して相手のドライブを封じる
上級者の場合
- カウンタードライブ:相手の強打をそのまま打ち返す反撃技術
- YGサーブ:手首のスナップで鋭い横回転を生み出す
- チキータのバリエーション拡張:コース・回転量を変えて読まれにくくする
- 流し・逆チキータ(ミユータ):逆横回転で相手の反応を外す応用技術
- 打ち方は攻撃・守備・カウンター・サーブ・レシーブの5カテゴリーに整理できる
- すべてを習得する必要はなく、自分のスタイルに合った技術を優先して磨くことが上達の近道
- 初心者はミート打ち・ドライブ・ツッツキ・ブロックの4技術を土台にする
- 中上級者はチキータ・カウンター・YGサーブなど「得点力と変化」を高める技術へ進む
- サーブ・ルールの疑問はJTTA公式ページで確認しよう

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