卓球ラケットは、グリップ・素材・構成の3つの軸で分類すると選び方がシンプルになります。ひとくちに「ラケット」といっても、シェークハンドとペンホルダーでは打ち方が変わり、木材とカーボンでは球の飛び方が大きく異なります。
この記事では、ラケットの種類を体系的に整理したうえで、初心者・中級者それぞれに合った選び方のポイントを解説します。「どれを選べばいいかわからない」という方が、自分に合う1本をイメージできる状態になることを目指しています。

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ラケットの種類や特徴を知識だけで理解していても、実際に自分のプレースタイルや技術レベルに合ったものを選ぶのは難しいもの。T-timesのコーチは、あなたのスイングやプレーの癖を見て、最適なラケット選びのアドバイスを行います。
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卓球ラケットの種類を一覧で把握する【全体マップ】
卓球ラケットの「種類」は、大きく5つの軸で分類できます。①握り方、②ブレード構成(枚数・素材)、③グリップ形状、④フェース形状、⑤ラバーです。
どの軸から深掘りすべきかは、あなたの戦型や悩みによって変わります。まずは全体像をつかんで、自分に関係する軸を見つけてみてください。
握り方の種類:シェークハンドとペンホルダー
ラケットの持ち方は、シェークハンドとペンホルダーの2種類が大分類です。現代の公式大会ではシェークハンドが主流で、プロ選手の大多数が使用しています。
ペンホルダーはさらに3種類に細分化されます。
- 日本式ペン:片面にのみラバーを貼る伝統的なスタイル
- 中国式ペン:両面ラバーを貼れる構造で、裏面打法にも対応
- 反転式ペン:表裏で異なるラバーを使い回転量を操る変化型
ブレード(板)構成の種類:枚数と素材
ブレードは「木材のみの合板」と「特殊素材入り」に大別されます。木材合板は3枚・5枚・7枚が主流で、枚数が増えるほど硬くスピードが出やすい傾向があります。
日本卓球協会の競技規則では、ブレード全体の85%以上を天然木とすることが定められており、カーボンなどの特殊素材は15%以内に制限されています。 (出典: 公益財団法人日本卓球協会「競技規則」)
| 構成 | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 3枚合板 | 柔らかく弾みを抑えやすい | 初心者・コントロール重視 |
| 5枚合板 | バランス型・最も流通量が多い | 初〜中級者全般 |
| 7枚合板 | 硬めで打球感がはっきりする | パワー・速攻型 |
| 特殊素材入り | 弾みが強く球離れが速い | 中〜上級者・ドライブ型 |
グリップ形状の種類:FL・ST・AN・COなど
シェークハンドのグリップ形状は主に3〜4種類あります。握り心地やスイングの安定感に直結するため、実際に手で確かめて選ぶのが理想的です。
- FL(フレア):グリップ末端が広がった形状。最も流通量が多く、手にフィットしやすいため初心者に向いています
- ST(ストレート):均一な太さで、自由な持ち替えが可能。グリップを動かして使いたい人向け
- AN(アナトミック):中央部が手のひらの形に沿って膨らんでいる。フィット感を重視する人向け
- CO(コニック):末端に向かってなだらかに広がる形状。一部メーカーが展開しています
フェース(面)形状の種類:角型・丸型・角丸型
ラケットの打球面の形状は、角型・丸型・角丸型の3種類が市販の主流です。公式ルール上は形状の数値規定がなく、各メーカーが独自の設計で展開しています。
| 形状 | 特徴 |
|---|---|
| 角型 | 打球面積が広くスピード・パワーに優れる |
| 丸型 | 取り回しがよくコントロール性能が高い |
| 角丸型 | 角型と丸型の中間。汎用性が高い |
日本式ペンホルダーでは、この3種類の中から選ぶことが一般的です。シェークハンドでも形状によって打球感や重量バランスが変わるため、用具選びのチェックポイントになります。
ラバーの種類:裏ソフト・表ソフト・粒高・アンチ
ラケットに貼るラバーは、性能を大きく左右する重要な要素です。公認ラバーは大きく4種類に分類され(一枚ラバーを含めると5種類)、それぞれ特性が異なります。
- 裏ソフト:表面が平坦でグリップ力が高い。回転量・スピードを両立でき、最も使用者が多い
- 表ソフト:表面に小さな粒が並ぶ。球離れが速くスピード系のプレーに向く
- 粒高:細長い粒が相手の回転を変化させる。守備型・変化系プレーヤー向け
- アンチトップスピン:摩擦が極めて低く、相手の回転を無効化する変化系ラバー
ルール上、ラバー(スポンジ含む)の厚さは最大4.0mm以内と定められています。また、2021年10月以降は両面の色を赤・黒の組み合わせに加え、片面にピンク・グリーン・ブルー・バイオレットを使用することも認められています。 (出典: 公益財団法人日本卓球協会「競技規則」)
- 握り方:シェークハンド or ペンホルダー(日本式・中国式・反転式)
- ブレード構成:木材合板(3・5・7枚)or 特殊素材入り。天然木85%以上のルールあり
- グリップ形状:FL・ST・AN・COの4種。初心者はFLが選びやすい
- フェース形状:角型・丸型・角丸型。形状自由だが打感・重量に影響する
- ラバー:裏ソフト・表ソフト・粒高・アンチの4種。厚さは最大4.0mm以内

握り方の種類:シェークハンドとペンホルダー
ラケット選びでまず決めるべきなのが「握り方」です。握り方はプレースタイルの根幹を決める要素であり、後から変えるのは大きな労力を伴います。大きくはシェークハンドとペンホルダーの2種類に分かれ、それぞれ得意な技術や向くプレースタイルが異なります。なお、日本卓球協会(JTTA)のルールでは、打球時にラケットを握っていれば持ち方の細かい規定はありません。(出典: 公益財団法人日本卓球協会「よくあるご質問(FAQ):ルール」)
シェークハンドの特徴と向いているプレースタイル
握手するようにグリップを握り、両面にラバーを貼って使うのがシェークハンドです。フォアとバックの切り替えがスムーズで、攻守のバランスが非常に高い点が最大の魅力。現在の世界トップ選手の大多数がシェークを使用しています。
バックハンドでも強打しやすく、高速ラリーへの対応力も抜群です。一方で手首の可動域がペンより狭いため、台上でのフリックや小技はやや苦手とされます。
グリップ形状はさらに以下の4種類に分かれます。
フレア(FL):安定したグリップ力
グリップエンドに向かって裾が広がる形状で、手の中にフィットしやすく滑りにくいのが特徴です。流通量が最も多く、初心者・手の小さい女性・子供に幅広く選ばれています。
「迷ったらFL」が定石とされるほど汎用性が高く、最初の1本として最適です。
ストレート(ST):手首の自由度が高い
太さが均一な直線形で、打法に合わせて握りを微調整しやすいのが魅力です。手首を自由に使いやすく、サーブの切れ味やフォア主体のプレーヤーに向いています。
しっかり握っていないと抜けやすい面もあるため、初心者よりも中級者向きとされます。
アナトミック(AN):疲れにくい人間工学設計
手のひらの形に合わせて中央が膨らんだ波型形状。フィット感が高く、長時間プレーでも手が疲れにくいのが強みです。安定した握りを求める選手に好まれますが、3種類の中では利用者が最も少ないグリップです。
ペンホルダーの特徴と向いているプレースタイル
親指と人差し指でペンを持つように握るのがペンホルダーです。手首の可動域が広く、フリック・ストップといった台上技術やサーブで大きな強みを発揮します。
前陣速攻型や中陣ドライブ型に向いており、カットマンにはほぼ使われません。世界レベルでもフランスのフェリックス・ルブラン選手がペンホルダーで活躍しており、実力を証明しています。
ペンホルダーはさらに3種類に分かれます。
日本式ペンホルダー:フォアの威力重視
長方形・突起状のグリップが特徴で、フォア面のみにラバーを貼って使うのが基本です。軽量で素早いスイングが可能で、フォア主体・台上プレーを得意とします。
ただしバックハンドがほぼ打てないのが最大のデメリットで、現在の高レベルの大会での使用者は非常に希少です。
中国式ペンホルダー:両面打ちで万能性アップ
シェークのグリップを短くしたような形で、両面にラバーを貼れます。裏面打法を組み合わせることでバックハンドもシェーク同様に対応でき、現代ペンホルダーの主流となっています。
ラバーを2枚貼る分ラケットが重くなり、スイングスピードが落ちる点には注意が必要です。
反転式ペンホルダー:裏表で2種のラバーを使い分け
グリップがえぐれた独特の形状で、ラケット自体を反転させながら使います。片面に裏ソフト、もう片面に粒高ラバーを貼り、回転の変化で相手を惑わせるのが最大の武器です。
- 独特のブレード形状で扱いが難しく、初心者には不向き
- 試合中に反転動作をする場面が多く、咄嗟の対応に慣れが必要
- まず基本技術を習得してから検討するのがおすすめ
初心者はシェークとペンのどちらを選ぶべきか
迷う場合はシェークハンド(特にFLグリップ)が無難というのが、複数の指導者や経験者の共通見解です。両ハンドを習得しやすく、練習相手・指導者の多さでもシェークが圧倒的に有利です。
ペンは手首・台上技術に独自の強みを持ちますが、バック側の技術習得には工夫が必要。現在の小中学生がシェークを選ぶ傾向が強いのも、こうした事情が背景にあります。
- 初心者・迷っている人→ シェークハンド(FLグリップ)が最もおすすめ
- 台上技術・サーブを武器にしたい人→ ペンホルダー(中国式)も選択肢に
- 攻守バランス重視→ シェークハンド一択
- 変化球・個性的な戦術→ 反転式ペンホルダーは中級者以上向け
各グリップタイプの特徴と選び方
シェークハンドのグリップ形状は、FL・ST・AN・COの4種類があります。握り心地やスイングの安定感に直結するため、実際に手で確かめて選ぶのが理想的です。ここでは全体マップで紹介した4タイプを、より詳しく解説します。
フレア(FL):初心者に最も選ばれるスタンダード
グリップエンドに向かって裾が広がる形状で、手の中にフィットしやすく滑りにくいのが特徴です。流通量が最も多く、初心者・手の小さい女性・子供に幅広く選ばれています。
「迷ったらFL」が定石とされるほど汎用性が高く、最初の1本として最適です。どのメーカーでもラインナップが豊富なため、選択肢の広さという点でも有利です。
ストレート(ST):手首の自由度を重視する人向け
太さが均一な直線形で、打法に合わせて握りを微調整しやすいのが魅力です。手首を自由に使いやすく、サーブの切れ味やフォア主体のプレーヤーに向いています。
しっかり握っていないと抜けやすい面もあるため、初心者よりも中級者向きとされます。ペンホルダーに近い感覚で握りたい方にも選ばれることがあります。
アナトミック(AN):フィット感を最優先したい人向け
手のひらの形に合わせて中央が膨らんだ波型形状。フィット感が高く、長時間プレーでも手が疲れにくいのが強みです。安定した握りを求める選手に好まれますが、FL・STと比べると流通量が少なく、選べるモデルが限られます。
コニック(CO):独特の広がりを持つ少数派グリップ
末端に向かってなだらかに広がる形状で、FLとSTの中間的な握り心地を持ちます。一部メーカーのみが展開しているため流通量は少ないですが、FLでは太すぎ・STでは細すぎると感じる方に合うことがあります。
- 初心者・迷っている人→ FL(フレア)が最も無難でおすすめ
- 手首を自由に使いたい・中級者以上→ ST(ストレート)を検討
- 長時間プレーで疲れにくさを重視→ AN(アナトミック)も選択肢に
- FLとSTの中間が欲しい→ CO(コニック)を扱うメーカーで試してみる
- グリップの感覚は個人差が大きいため、実際に握って確かめることが重要

ブレード(板)の種類:合板構成と素材
ラケットの性能を決めるのは、ブレード(打球面となる板)の「枚数」と「素材の配置」です。弾み・コントロール・打球感のすべてがここで決まります。
大きく分けると「木材合板」と「特殊素材入り」の2種類があり、さらに枚数や素材の配置によって打球感が変わります。なお、ITTFの競技規則では「ブレードの85%以上は天然木であること」が義務付けられています。 (出典: 公益財団法人日本卓球協会「競技規則」)
木材合板の種類:枚数による打球感の違い
合板とは、薄い木材を複数枚貼り合わせた構造のことです。枚数が増えるほど硬くなり弾みが強まる傾向があります。主流は3枚・5枚・7枚合板の3種類です。
| 種類 | 打球感 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 3枚合板 | 柔らかく球持ちが良い | 守備型・カットマン |
| 5枚合板 | バランス型・弾みと球持ちが両立 | 初心者〜中級者全般 |
| 7枚合板 | 硬くてスピード重視 | 中級〜上級の攻撃型 |
3枚合板:コントロール重視の柔らかい打球感
枚数が少ない分しなりが大きく、ボールを「掴む」感覚が強いのが特徴です。その掴み感を活かして回転をかけやすいため、カットマンや守備型プレーヤー向けのモデルに多く採用されています。
5枚合板:バランス型のスタンダード
適度な弾みと球持ちのバランスが良く、初心者の「最初の1本」として多くの指導者が推奨するスタンダードモデルです。回転をかける感覚を自然に身につけられます。
木材のみの構成なので、特殊素材入りと比べて軽量な点も魅力。代表例にはバタフライ「コルベル」(約4,500〜5,500円)やVICTAS「スワット5PW」(約6,000円+税)があります。
7枚合板:硬くてスピード重視
5枚合板より弾みが増し、球離れが早いのが特徴です。5枚合板に物足りなさを感じてきた中級〜上級者や、表ラバー使用者に人気があります。
一方で重量が増しやすいため、ある程度の筋力が必要です。高校生以上の男性向けモデルが多い印象です。価格は5枚合板と大差ないことが多いため、コストパフォーマンスは高めです。
特殊素材入りラケットの種類と特徴
ITTF規定の範囲内(15%以内)で、カーボン・アリレート・ザイロン・ケブラー・グラスファイバーなどの素材が使われます。木材合板と比べて反発力が高く、ボールが速くなりやすいのが共通の特徴です。
さらに、素材をどの位置に配置するかによって性質が大きく変わります。「アウター配置」と「インナー配置」の2タイプを押さえておきましょう。
カーボン(アウター配置):高弾性・高速タイプ
特殊素材をブレードの外層近くに配置するタイプです。弾みが非常に強く打球音が高いのが特徴で、ボールに鋭いスピードが出ます。
ただしボールが浅くなりやすく、コントロールには慣れが必要です。上級者・攻撃型向けのカテゴリーで、バタフライ「ティモボルALC」(アリレートカーボン使用)が代表例として挙げられます。
カーボン(インナー配置):木材に近い打球感でコントロールしやすい
特殊素材を内側に配置し、外層に木材を残すことで木材の打球感を維持した設計です。アウターより弾みは控えめですが、木材合板よりは速く、中級者のステップアップに人気があります。
アラミド繊維・ザイロン系:独特の弾みとしなり
素材によって特性が異なります。それぞれの違いを確認しておきましょう。
- ザイロン(ZLC):軽量で高い弾性が特徴。スピード重視のプレーヤーに人気
- アリレート:振動吸収性に優れ、打球感がソフトで扱いやすい
- ケブラー:耐久性・衝撃吸収性が高く、独特のしなりがある
これらは各社独自のブランド名で展開されているため、購入前にメーカーの仕様ページで素材名を確認するのがおすすめです。
木材合板と特殊素材入り、どちらを選ぶべきか
結論から言うと、初心者〜中級者は木材5枚合板から始めるのが定石です。特殊素材入りは弾みすぎてコントロール感覚が身につきにくく、基礎固めの段階では逆効果になりやすいです。
戦型が固まった中級以降で、物足りなさを感じたら特殊素材入りへの移行を検討しましょう。初めて挑戦するなら、インナーカーボン系が木材に近い感覚で扱いやすくておすすめです。
- ブレードの枚数が多いほど硬く弾みが増す
- 初心者は木材5枚合板が最もバランスが良くおすすめ
- 特殊素材入りはインナー配置→アウター配置の順にステップアップ
- 素材の配置(インナー・アウター)で打球感が大きく変わる
フェース(面)形状の種類:角型・丸型・角丸型
卓球のラケットは、フェース(打面)の形状が角型・丸型・角丸型の3種類に大きく分かれます。実は競技規則上、フェース形状に細かい制限はありません。それでも市販品がこの3タイプに収束しているのは、打球特性やスイートスポットの広さに形状が影響するからです。
形状の選択は、グリップやブレード構成を決めた後に考慮するのが自然な流れ。まずは3タイプの特性を押さえておきましょう。
角型・丸型・角丸型それぞれの特徴
角型(スピード重視)
スイートスポットがブレード全面に広がりやすく、スピードとパワーに優れるのが角型の特徴です。現代のシェークハンドラケットはこのタイプが主流で、攻撃型プレーヤーに広く選ばれています。
丸型(コントロール重視)
丸みのある形状が打球感をマイルドにし、コントロール力が高いのが丸型の特徴です。多彩なテクニックとの相性が良く、繊細な技術を使いたいプレーヤーに向いています。
現代のシェークハンドラケットでは少数派ですが、日本式ペンホルダーでは今も選択肢の一つです。
角丸型(バランス型)
角型と丸型の中間的な特性を持ちます。日本式ペンホルダーに多く見られる形状で、スピードとコントロールをバランスよく求めるプレーヤーに選ばれています。
日本式ペンホルダーでは角型・丸型・角丸型の3種すべてが選択肢になるため、自分のプレースタイルに合わせて選ぶことが重要です。
ルール上の「形状の自由」について
日本卓球協会の競技規則では、ラケットの大きさや形状・重量に規定はないとされています。
(出典: 公益財団法人日本卓球協会「競技規則」)
この自由さゆえに、過去には星型やハート型のラケットを持ち込もうとした事例もあったほどです。とはいえ実用的な打球特性を追求した結果、市場は3タイプに自然と収束しています。
- 角型:スピード・パワー重視。シェークハンド攻撃型に最適
- 丸型:コントロール重視。繊細なテクニックを生かしたい人向け
- 角丸型:バランス型。日本式ペンホルダーに多い
- 形状はグリップ・ブレード構成を決めた後に選ぶのがおすすめ
卓球ラバーの種類と特性
ラバーの種類は、公式大会で使用できるものに限ると裏ソフト・表ソフト・粒高・アンチトップスピン・一枚ラバー(OX)の5種類です。これらのうち、ITTF公認ラバーリスト(LARC)に掲載されたラバーのみが公式大会で使用できます。
ブレード(板)選びとラバー選びは表裏一体。どちらか一方だけを見ても、自分に合った用具にはなりません。この章でラバーの特性を理解した上で、ブレードとの相性も考えてみてください。
裏ソフトラバー:回転重視の現代卓球の主流
ゴムシートを裏向きに貼り、表面が平らになっているラバーです。ボールとの接地面が広いため、回転をかけやすく現代卓球の主流となっています。
初心者から上級者まで幅広く使われており、汎用性はラバーの中で最も高い種類です。迷ったらまずこれを選ぶ、という定番の選択肢でもあります。
さらに「テンション系(弾みを強化したタイプ)」や「粘着系(中国製に多い回転特化型)」といったサブカテゴリーもあります。詳細な分類については、卓球のラバーの種類を徹底解説|自分に合う1枚の選び方がわかるもあわせてご覧ください。
表ソフトラバー:スピード重視でナックルが出やすい
粒がそのまま表面に出ている状態のラバーです。ボールとの接触時間が短く、球離れが早いためスピードが出やすいという特徴があります。
相手の回転の影響を受けにくく、「ナックルボール(無回転に近いボール)」が出やすいのも大きな特徴です。前陣速攻型(台の近くで速攻を仕掛けるスタイル)のプレーヤーや、7枚合板との組み合わせで多く使われます。
粒高ラバー:変化で相手を惑わす守備型向け
細長い粒が表面に立っているラバーで、相手の回転を反転させて返球できるのが最大の特徴です。上回転で打たれたボールを下回転で返すなど、独特の変化球を生み出せます。
守備型(カットマン)や変化型のプレーヤーが主に使用します。一方で、自分から強い回転をかけることは難しいため、変化を活かした戦術への理解が必要です。反転式ペンホルダーの片面に貼って使われることもあります。
- 相手の回転を反転させて返球できる
- 守備型・変化型のプレーヤーが使用
- 自分から回転をかけるのは苦手
- 反転式ペンホルダーの片面にも使われる
粒高ラバーのおすすめ製品については、粒高ラバーのおすすめ11選|戦型・レベル別に厳選して紹介もご覧ください。
アンチラバー:ほぼ無回転で独特の変化を生む
外見は裏ソフトラバーとほぼ同じですが、表面が滑りやすい加工が施されています。そのため、相手の回転の影響をほぼ受けずに返球できます。
返球はほぼ無回転になるため、相手のタイミングを崩しやすいのが強みです。ただし、使用者は非常に少なく、変化型・カット型の戦術を深く理解した上で選ぶ、上級者向けのラバーと言えます。
- 自分の戦型(変化型・カット型)が定まっている
- ラリーの中で変化球を活かす戦術が描けている
- 初心者・中級者が試しで選ぶラバーではない
スポンジの厚さがスピード・コントロールに与える影響
ラバーの厚さはシート+スポンジの合計で最大4.0mm以内というルールがあります。
(出典: 公益財団法人日本卓球協会「公認品一覧」)
スポンジの厚さは一般に「薄・中・厚・特厚」の4区分で分けられています。厚くなるほど弾みとスピードが増しますが、その分コントロールが難しくなります。
| 厚さの区分 | スピード | コントロール | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 薄 | 低め | 高め | 守備型・ペン粒 |
| 中 | 中程度 | 中程度 | 初心者・中級者 |
| 厚 | 高め | やや難 | 中級者〜上級者 |
| 特厚 | 最高 | 難しい | 上級者向け |
| OX(スポンジなし) | 変化重視 | 独特 | 粒高・表ソフト使い |
「OX」とはスポンジを使わない一枚ラバーのことで、主に粒高や表ソフトで選ばれます。変化の大きさが魅力ですが、扱いに慣れが必要です。
- 初心者は「中」からスタートするのが基本
- ラリーに慣れてきたら「厚」へステップアップを検討
- 守備型・変化型を目指すなら「薄」やOXも選択肢に
- ラバーの合計厚はシート+スポンジで最大4.0mm(ITTF規定)

プレースタイル別に見るラケットの種類の選び方
ラケットの種類を知っても「自分にどれが合うか」が分からなければ意味がありません。このセクションでは、攻撃型・前陣速攻型・カット主戦型・オールラウンド型の4パターンに絞って、プレースタイルの軸で選び方を整理します。レベルや予算による絞り込みは次のセクションで解説します。
攻撃型(ドライブ主戦)に向いているラケットの種類
フォアドライブの威力を最大化したいなら、弾みの強いブレードを選ぶのが基本方針です。シェークハンドの5枚合板またはカーボン(アウター配置)が主流で、球持ち時間が短い分だけ速い球を打ち出せます。
グリップはFLまたはSTが一般的で、ラバーは両面に裏ソフト(テンション系)を貼るのがスタンダード。中国式ペンホルダーに裏ソフトを組み合わせるスタイルも、攻撃型として十分機能します。
前陣速攻型に向いているラケットの種類
台から離れず、バウンド直後のボールをスピードで押し切るスタイルです。素早い球離れが命なので、弾みが強く軽量なラケットが好まれます。
- ラケット:日本式・中国式ペンホルダーまたはシェークハンドで、7枚合板など弾みの強いもの
- ラバー:表ソフトラバーとの組み合わせが定番。ナックル性の球が出やすく速攻に向く
- 重量:スイングスピードを落とさないため、軽量モデルを優先して選ぶ
カット主戦型(守備型)に向いているラケットの種類
台から下がってカットで粘る守備スタイルには、ブレードが大きめでコントロール重視の設計が合います。素材は3〜5枚合板のシェークが多く、ラバーは片面に裏ソフト、もう片面に粒高を貼るのが定番の組み合わせです。
カット専用に設計された特殊素材ラケット(例:VICTASの松下浩二ZC)も存在し、中級者以上になると選択肢に入ってきます。グリップはFLが主流で、長いラリーでも手首への負担を抑えやすい形状です。
- 弾みが強すぎるカーボンラケット(カットがオーバーしやすい)
- ブレードが小さいペンホルダー(台から下がった時のリーチが足りない)
オールラウンド型に向いているラケットの種類
攻守のバランスが取れた5枚合板のシェークハンド(FLグリップ)が最もおすすめです。弾みが極端でなく、ドライブもブロックも平均的にこなせるため、戦型がまだ固まっていない初心者〜中級者に最適な選択といえます。
ラバーは両面に裏ソフトを貼るのが基本。まずはこの組み合わせで技術の土台を作り、プレースタイルが明確になってから専門特化したラケットへ移行するのがおすすめです。
- 攻撃型(ドライブ主戦):シェーク5枚合板またはカーボン+テンション系裏ソフト
- 前陣速攻型:軽量な7枚合板またはペンホルダー+表ソフト
- カット主戦型:大きめブレードのシェーク3〜5枚合板+裏ソフト×粒高
- オールラウンド型・戦型未確定:5枚合板シェーク(FL)+両面裏ソフト
レベル別のラケット選びの目安
「種類が多くてどれを買えばいいかわからない」という方へ、ここではレベルの軸で選び方を整理します。プレースタイル別の選び方は別セクションで解説しているため、ここでは「今の自分のレベル」に絞った購入判断に特化します。なお、ラケットの完成重量は170〜185g程度が一般的な目安です。
初心者向け:コントロール優先で失敗しない選び方
初心者の「最初の1本」には、木材5枚合板+裏ソフトラバー(中〜厚)+シェークFLグリップの組み合わせが定石です。弾みが適度に抑えられ、打球感を体で覚えやすいのが理由です。
カーボン入りのラケットは弾みが強く、打つ感覚が身につきにくいため、最初は避けるのが無難です。まずは木材5枚合板でフォームを固めましょう。
- 貼り上げ済みラケット(ラバー付き完成品)なら1,500〜3,000円台から入手可能
- ラケット本体単体は3,500〜5,500円程度が入門の目安
- ラケット本体+ラバー2枚の合計で8,000〜10,000円が推奨予算の目安
中級者向け:戦型を確立するためのステップアップ
「攻撃型・守備型・オールラウンド」など、自分の戦型が固まってきたタイミングが、特化型ブレードへ移行するサインです。5枚合板で基礎ができたなら、次のモデルへ進みましょう。
ステップアップの選択肢として有力なのは、7枚合板かインナーカーボンです。7枚合板は弾みと安定感のバランスがよく、インナーカーボンはカーボンの恩恵を受けながら球持ちも確保できます。
- ラケット本体:6,000〜8,000円
- ラバー2枚:6,000〜8,000円(1枚あたり3,000〜4,000円)
- 合計:12,000〜16,000円前後
上級者向け:特殊素材ハイエンドモデルの選び方
上級者はアウターカーボン・ZLC・アリレートカーボンなどのハイエンドモデルから、戦型に合ったブレードを選びます。弾みが最大限に引き出せる反面、スイングスピードや打球ポイントのズレがそのままミスに直結します。
試打で自分のスイングとの相性を確かめてから購入するのが重要です。価格はインナー系で1万円以上、トップモデルは2万円を超えるものも珍しくありません。
また、公式大会で使用する場合はJ.T.T.A.A.刻印+メーカー名の公認マークが必須です。購入前にぜひ確認してください。 (出典: 公益財団法人日本卓球協会「公認品一覧」)
- 初心者がカーボン入りの高弾性ラケットをいきなり購入して、ミスが増えてスランプに
- 予算をラケット本体に使いすぎて、ラバーが安価なものしか選べなくなった
- 公認マークを確認せず購入し、公式大会で使用不可と判明した
予算帯別のラケット選び
予算ごとに選べるラケットの種類と特徴を整理しました。どの予算帯を選ぶかの判断材料にしてください。
| 予算帯 | ラケットの種類 | 特徴・向いている人 |
|---|---|---|
| 〜5,000円 | 貼り上げ済み〜木材5枚合板 | コントロール重視。卓球を始めたばかりの入門者向け |
| 5,000〜15,000円 | 木材5枚・7枚合板、インナーカーボン入門 | 戦型への特化が可能。ステップアップを目指す中級者向け |
| 15,000円〜 | アウターカーボン・ZLC等のハイエンド | 性能を追求する上級者向け。試打での相性確認が前提 |

【独自】種類の選択ミスを防ぐ「自分タイプ診断チャート」
ラケットの知識を調べても「結局どれを選べばいいの?」と迷う方は多いです。このセクションでは、3つの診断軸を順番に答えるだけで「最初の1本」が絞り込めるオリジナルチャートを紹介します。競合記事にはない独自の切り口でお届けします。
診断軸①:プレースタイル(攻撃・守備・オールラウンド)
まず「どんな卓球をしたいか」を決めます。プレースタイルによってラケットの構造が大きく変わるため、ここが一番重要な分岐点です。
| プレースタイル | こんな人 | おすすめラケット構成 |
|---|---|---|
| 攻撃型 | 積極的に打っていきたい | シェーク+カーボン系 or 5枚合板 |
| 守備型 | 粘り強く返し続けたい | シェーク+3〜5枚合板+粒高ラバー |
| オールラウンド | まだわからない | シェーク5枚合板+裏ソフト(両面) |
| 前陣速攻 | 台上技術や小技を重視したい | ペン or シェーク+表ソフト or 裏ソフト |
診断軸②:経験年数とスイングスピード
プレースタイルが決まったら、次は「今の自分のレベルに合った弾み」を確認します。スイングスピードとラケットの弾性が合わないと、ミスが増えて上達を妨げてしまいます。
- 経験0〜1年・スイングゆっくり:木材5枚合板のコントロール系ラケットが最適。まずボールを台に入れる感覚を身につけましょう。
- 経験1〜3年・スイングやや速い:7枚合板またはインナーカーボンへのステップアップを検討。回転量と威力のバランスが取りやすくなります。
- 経験3年以上・スイング速い:アウターカーボン等の高弾性モデルが候補。速いスイングを威力に変換できる段階です。
- スイングスピードが遅い段階でカーボン系ラケットを使うと、弾みすぎてコントロール不能になりやすい
- 「上級者が使っているから」という理由だけでカーボン系を選ぶのは危険
- まず木材5枚合板でコントロールの基礎を固めてからステップアップするのが王道
診断軸③:重量の許容範囲と握り方の好み
ラケット選びの最後の確認は「重さ」と「グリップ形状」です。ラバーを貼った完成重量の目安は170〜185gが標準とされています。
- 軽め希望(女性・子ども・年配者):木材5枚合板+FLグリップを基本に。ラバーも薄めを選ぶと総重量を抑えられます。
- グリップ形状に迷っている:FL・ST・ANを実際に握って確認してから選ぶことを強くおすすめします。感覚の個人差が大きい部分です。
- ペンホルダーを検討している方:シェークと同じ重量でも指先で支える構造上、重く感じやすい点を覚えておきましょう。
チャートの使い方:3軸の組み合わせで「最初の1本」を絞り込む
①〜③の順に答えることで、候補が自然に絞られます。以下の簡易フローで確認してみてください。
| ①スタイル | ②経験・スイング | ③重量・グリップ | 最初の1本(目安) |
|---|---|---|---|
| オールラウンド | 0〜1年・ゆっくり | 標準 or 軽め | シェーク5枚合板 FL+裏ソフト両面 |
| 攻撃型 | 1〜3年・やや速い | 標準 | シェーク7枚合板 or インナーカーボン+裏ソフト |
| 前陣速攻 | 1年以上・速い | 軽め〜標準 | シェーク5〜7枚合板 FL+表ソフト |
| 守備型 | 経験問わず | 軽め | シェーク3〜5枚合板+粒高ラバー |
フローの最終出力はあくまで「候補の絞り込み」です。実際のフィット感は試打で確認するのが一番の近道。「まず試打してから決める」という選択肢をぜひ残しておきましょう。
- ①プレースタイルで大まかな方向性を決める(攻撃・守備・オールラウンド・前陣速攻)
- ②経験年数とスイングスピードで「弾みの強さ」を合わせる
- ③重量とグリップ形状を実際に握って最終確認する
- 試打できる環境があれば積極的に活用する
よくある質問
卓球ラケットの種類はざっくり何種類ありますか?
「握り方・ブレード・グリップ・フェース・ラバー」の5つの軸が組み合わさるため、実質的には無数のバリエーションが存在します。
大きく分けると、握り方はシェークハンドとペンホルダーの2種類。ブレードは木材(3・5・7枚合板)と特殊素材(カーボンなど)入りに大別できます。
貼るラバーだけでも、日本卓球協会(JTTA)の公認リストには2024年10月時点で1,000種類を超える銘柄が掲載されています。(出典: JTTA公認ラバーリスト(2024年10月1日版))
初心者は何枚合板のラケットを選べばよいですか?
5枚合板が定石です。弾みと球持ちのバランスが取れており、回転感覚やフォームを自然に身につけやすいのが理由です。
カーボンなどの特殊素材入りは弾みが強すぎる傾向があります。コントロール感覚が養われないまま癖がつくリスクがあるため、戦型が固まってから検討するのが賢明です。
シェークハンドとペンホルダーは結局どちらがおすすめですか?
迷う場合はシェークハンドを選ぶのが無難です。両ハンド打法を習得しやすく、指導者や練習相手も多いため上達しやすい環境が整っています。
ペンホルダーは台上技術やサーブに独自の強みがある一方、バック技術の習得に工夫が必要になる場面もあります。
ただし、最終的には「自分がワクワクする方を選ぶ」ことがモチベーション維持にも直結します。どちらのグリップでも高いレベルで活躍している選手はいます。
カーボン(特殊素材)ラケットを初心者が使っても大丈夫ですか?
安全面の問題はありませんが、コントロール感覚や回転をかけるフォームが身につきにくくなるリスクがあります。多くの指導者が初心者には木材5枚合板を推奨する理由はここにあります。
それでもカーボンを試したい場合は、インナーカーボンのエントリーモデルがおすすめです。カーボン層が内側に配置されているため、木材に近い打球感で扱いやすくなっています。
市販の貼り上げ済みラケットと自分で組み合わせるラケットの違いは何ですか?
貼り上げ済みラケットは、工場でラバーが貼られた状態で販売されています。購入後すぐ使える手軽さが魅力で、価格は1,500〜3,000円台が中心です。
セパレートタイプは、ブレードとラバーを別々に購入して自分で貼り合わせます。組み合わせの自由度が高く本格的ですが、ある程度の知識と手間が必要です。
本格的な上達を目指すなら、戦型が固まった段階でセパレートに移行するのが一般的な流れです。なお、公式大会ではITTF・JTTAの公認マークがあればどちらも使用できます。(出典: 日本卓球協会「公認品一覧」)
まとめ:卓球ラケットの種類を理解して自分に合った1本を選ぼう
卓球ラケットは「グリップ・ブレード構成・ラバー」の組み合わせで性能が大きく変わります。種類の多さに迷ったときは、4つの軸で整理するとスッキリ見えてきます。
- 握り方:シェークハンドかペンホルダーか
- グリップ形状:FL・ST・AN など手に合う形
- ブレード構成:木材枚数・カーボンの有無
- ラバー:裏ソフト・表ソフト・粒高など
この4軸を順番に絞っていくだけで、膨大な選択肢をかなり狭めることができます。
迷ったときの基準は、「シェーク・FL・木材5枚合板・裏ソフト」の組み合わせです。操作しやすく癖が少ないため、初心者から中級者まで幅広く対応できます。フォームが固まってから特性の強い用具へ移行するのが、上達の近道です。
次のステップとして、以下のアクションをおすすめします。
- 実店舗で複数のラケットを手に取り、グリップの握り心地を確かめる
- 試打できる環境があれば、ぜひ打って球の飛び感を体感する
- クラブやスクールのコーチに自分のプレースタイルを見てもらい、用具を相談する
- ラバーの種類・硬さ・厚さも合わせて深掘りし、ラケットとの相性を確認する
- ラケットのブレードに「J.T.T.A.A.」刻印があるか確認する
- 貼付するラバーがITTF公認品であるか確認する
- 公認品一覧は 公益財団法人日本卓球協会「公認品一覧」 で検索できる
- 競技規則の詳細は 公益財団法人日本卓球協会「競技規則」 を参照のこと

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