卓球の戦型は、大きく分けて「攻撃型・守備型・変化型」の3系統に分類できます。どの戦型を選ぶかで、使うラケット・ラバー・練習内容がすべて変わってきます。
この記事では、各戦型の特徴と向いているプレースタイルをわかりやすく整理しました。読み進めるだけで、自分に合った戦型が自然と見えてくる構成になっています。
「なんとなく攻撃型かな」で決めてしまうと、上達の遠回りになることも。ぜひ最後まで読んで、自分の武器になる戦型を見つけてください。

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卓球の戦型とは
戦型(せんけい)とは、「何を武器に、どのように戦うか」というプレースタイルの型のことです。使用するラケットの形状(シェークハンド/ペンホルダー)・ラバーの種類・台との距離・得意技術の組み合わせで決まります。
戦型が定まると、ラケット・ラバーの選び方と、練習で優先すべき技術に一本の筋が通ります。その結果、上達スピードが大きく変わってきます。逆に方向性が曖昧なまま練習を続けると、用具も技術も中途半端になりやすいのが落とし穴です。
なお、卓球のラバーはITTF(国際卓球連盟)およびJTTA(公益財団法人 日本卓球協会)が認定した5種類に分類されます。(出典: 日本卓球協会「公認品一覧」)
- 裏ソフト:表面が平らで回転をかけやすい。最もスタンダードなラバー
- 表ソフト:表面に粒が並び、スピードが出やすい
- 粒高:細長い粒が相手の回転を変化させる。守備的な戦型向き
- 一枚ラバー:スポンジなしで独特の変化球が出せる
- アンチ:摩擦が極端に少なく、回転を殺して返球できる
卓球の戦型一覧|シェーク系プレースタイル5種類を比較
シェークハンドラケットで選べる主な戦型は5種類。現代卓球ではシェーク系が主流で、男女とも世界ランキング上位者のほとんどがシェーク攻撃型です。まずは全体像を把握して、自分のスタイルに合った戦型を見つけましょう。
| 戦型 | 主な立ち位置 | 主武器ラバー | 習得難易度 | 初心者おすすめ度 |
|---|---|---|---|---|
| ドライブ主戦型 | 中陣 | 両面裏ソフト | ★★★☆☆ | ★★★★★ |
| 前陣速攻型 | 前陣 | バック表ソフト | ★★★☆☆ | ★★★★☆ |
| カット主戦型 | 後陣〜中陣 | 裏ソフト+粒高 | ★★★★☆ | ★★★☆☆ |
| 異質攻守型 | 前陣〜中陣 | 裏ソフト+表/粒高 | ★★★★☆ | ★★☆☆☆ |
| 粒高攻守型 | 前陣〜中陣 | 粒高 | ★★★★★ | ★★☆☆☆ |
ドライブ主戦型(シェーク攻撃型)
両面に裏ソフトラバーを貼り、フォア・バック両方から上回転(ドライブ)で攻める最もスタンダードな戦型です。中陣を中心に展開し、攻守のバランスが高い点が魅力。迷ったらまずこの戦型から入るのが定石とされています。
現在の世界チャンピオンや五輪金メダリストのほとんどがこの戦型。用具はバタフライ「テナジー05」やニッタク「ファスタークG-1」といったテンション系裏ソフトが定番です。
弱点は、表ソフト・粒高が生む無回転ボール(ナックル)への対応や、前陣速攻型の速いテンポへの適応。とはいえ、初心者が最初に習得すべき打法がほぼすべてこの戦型に詰まっているため、上達の近道にもなります。
代表選手:早田ひな・張本美和・孫穎莎(中国)・水谷隼(引退)

前陣速攻型
台の近く(前陣)に常に張り付き、ボールの上がり際を速い打球点でスマッシュやミート打ちで叩くスタイル。「スマッシュ主戦型」とも呼ばれます。
バック面に表ソフトラバーを使うケースが多く、表ソフト特有のナックルボールで相手を翻弄できるのが強みです。反射神経と判断力があり、体格が小さくても強打しやすい点も特徴のひとつ。
一方、台に近いぶん深いボールで下げられると失点リスクが上がります。フェイントや逆モーションへの対応も課題で、常に高い集中力が必要な戦型です。
代表選手:伊藤美誠・木原美悠
カット主戦型(カットマン)
後陣〜中陣に位置取り、相手の強打をラケットを上から下に振り下ろすカット(強い下回転)で返し続ける守備型です。国際的には「Chopper(チョッパー)」と呼ばれます。
強烈な下回転は、相手が普通のスイングをするとネットに刺さります。相手に特殊な打ち方を強いて消耗させられるのが最大の武器です。近年は攻撃力も兼ね備えた「カット主戦オールラウンド型」が主流になってきました。
- ミドルコース(体の正面)への強打に対応しにくい
- ショートサーブやツッツキを多用する前陣での攻防が苦手
- 受け身のラリーが続くため、積極的な得点機会が限られる
- カットだけでは崩しにくく、回転変化と緩急が必要
代表選手:橋本帆乃香(2025年10月に世界ランク10位)・英田理志・ルーウェン・フィルス(ドイツ)

異質攻守型
フォア・バックの一方に裏ソフト、もう一方に表ソフト・粒高・アンチといった異質ラバーを貼り、面ごとの球質差で相手を翻弄するスタイルです。同じ動作でも回転・スピードが変わるため、相手に的を絞らせません。
最もポピュラーな組み合わせは「フォア裏・バック表」。バックの表ソフトで速攻を仕掛けつつ、フォアの裏ソフトで安定したドライブを打つスタイルが人気です。
フォアとバックで異なるスイング感覚を習得する必要があるため、習得難易度はやや高め。用具の特性に頼りすぎると、対策を練られたときに苦戦しやすい点も頭に入れておきましょう。
代表選手:出澤杏佳(日本)・マニカ・バトラー(インド)
粒高攻守型(ブロック主戦型)
粒高ラバーの最大の特徴はスピンリバーサル効果。相手がかけた回転が逆向きになって返るため、打てば打つほど予測不能なボールが戻ってきます。相手のミスを誘う戦術が核心です。
スポンジなし(OX)は変化が最大ですが難易度も高め。スポンジありにすると安定性が増し、扱いやすくなります。
相手がナックル性ボール(無回転)を使うと粒高の変化が出にくくなる点が弱点。フォアでの攻撃技術と高い戦術理解を組み合わせることが、この戦型を使いこなすカギになります。
代表選手:倪夏蓮(ニーシャーリエン、ルクセンブルク)・徐孝元(韓国)
- ドライブ主戦型:攻守バランス◎。初心者の入門として最適な万能戦型
- 前陣速攻型:スピードと反射神経で勝負。ナックルボールも武器になる
- カット主戦型:強い下回転で相手を翻弄。攻撃力も求められる現代スタイル
- 異質攻守型:球質の差で相手を惑わす。習得にはある程度の経験が必要
- 粒高攻守型:回転反転で相手ミスを誘う。戦術理解と経験値が鍵

ペンホルダーの戦型一覧
ペンホルダーは、ペンを持つように人差し指と親指でラケットを握るスタイルです。手首の自由度が高く、フリックやストップなどの台上技術に優れています。
ペンホルダーには日本式・中国式の2種類があり、それぞれ形状や戦い方が大きく異なります。年配者や経験者に使用者が多い一方、若い世代では使用者が減少傾向にあります。現役世界ランカーとしては、フランスのフェリックス・ルブランが中国式ペンで世界トップレベルの活躍を見せています。
ペンドライブ型
ドライブ(回転をかけながら打つ攻撃技術)を主体に得点を狙う戦型です。日本式と中国式で武器になる技術が大きく変わるため、それぞれの特徴を押さえておきましょう。
日本式ペンの場合
ブレード先端が角ばった角型形状が多く、重心が先端に寄るため強力なフォアハンドを打ちやすいのが特徴です。材質は檜(ひのき)単板が主流で、鋭いスマッシュとドライブが最大の武器になります。
ただし、片面のみにラバーを貼る構成が主流のため、バックハンドはショートやブロックで対応するのが基本。バック側が弱点になりやすい点は意識しておく必要があります。
- フォアハンドの威力は全戦型でもトップクラス
- 台上技術(フリック・ストップ)が得意
- バックハンドはショート・ブロック中心になる
中国式ペンの場合
ブレードがシェーク(握手型ラケット)と同様の楕円形で、裏面にもラバーを貼れるのが最大の特徴です。裏面打法(バックハンドドライブ)が可能になるため、シェーク同様の両ハンド攻撃ができます。
このスタイルを完成させたのが、王皓・馬琳といった中国選手たち。現在はフランスのフェリックス・ルブランが中国式ペン裏面打法でシェーク選手と互角以上のプレーを見せています。2021年東京オリンピック混合ダブルス金メダリストの許昕選手もこのスタイルの使い手です。
ペン前陣速攻型
台の近く(前陣)に構え、スマッシュを中心にテンポよく攻撃を仕掛ける戦型です。手首の自由度を活かした変化サービスや台上技術も大きな武器になります。
速攻用ペン(日本式丸型または中国式)に表ソフトラバーを貼るのが定番です。バック側への速いボールは回り込みフォアハンドで対応することが多くなります。
- スピードと緩急で得点を狙うスタイル
- サービスの変化が出しやすく、台上技術が得意
- 瞬発力があって「とにかく攻撃したい」という選手に向く
- バック深くに来たボールへの対応が難しい
- フェイントや逆モーションに弱い側面がある
- 回り込みのフットワーク範囲が広く、スタミナを要する
ペン粒高攻守型
ペンホルダーラケット(主に反転式)の片面に粒高ラバー、もう片面に裏ソフトや表ソフトを貼り、変化と攻撃を組み合わせる戦型です。
粒高ラバーは相手のドライブの回転を反転させて返球できます。これにより、相手に「自分の回転が返ってきた」という感覚を与えられ、ミスを誘いやすくなります。反転して裏ソフト面で積極的に攻撃するプレーも組み合わせられるのが強みです。
- 異質ラバー対策を徹底された相手には苦戦しやすい
- バック側への速いボールへの対応が依然難しい
- 反転動作が必要なため、素早い連続プレーが難しくなる場面がある
- ペンドライブ型(日本式):フォアの威力重視。バックはショート・ブロックで補う
- ペンドライブ型(中国式):裏面打法で両ハンド攻撃が可能。現代ペンの主流スタイル
- ペン前陣速攻型:表ソフト+スマッシュでテンポよく攻める。瞬発力が求められる
- ペン粒高攻守型:粒高の変化と攻撃を組み合わせ。異質打法の醍醐味を楽しめる
自分に合う戦型の決め方|5つの診断基準
戦型を早めに決めると、ラケット・ラバー選びから練習メニューまで一本の筋が通り、上達スピードが変わります。ここでは「性格診断」止まりではなく、用具選びと練習メニューに直結する実用的な基準で自己診断できる構成でお伝えします。
基準①:ラケットの持ち方(シェーク/ペン)の選択
戦型選びの出発点は、シェークハンドとペンホルダーのどちらを選ぶかという持ち方の選択です。これによって選べる戦型の幅が大きく変わります。
- シェークハンドを選ぶ→ 両面ラバーを活かした幅広い戦型から選択できる。現代の主流で用具・指導情報が豊富
- ペンホルダーを選ぶ→ 手首の自由度が高く台上技術に優れる。日本式・中国式でさらに戦型の方向性が変わる
迷った場合はシェークハンドから始めるのが定石です。用具の選択肢が多く、指導を受けやすい環境が整っています。
基準②:台との距離(前陣・中陣・後陣)の好み
次に確認したいのが、台からどのくらいの距離でプレーしたいかという感覚です。これは視野の広さや性格とも連動しています。
- 台に張り付いてバチバチ叩くのが好き→ 前陣速攻型
- 台から少し離れた中陣でドライブを打ち合いたい→ ドライブ主戦型
- 離れた場所からボールを拾い続けたい→ カット主戦型
台の近くで「ボールの上がり際を叩く」スリルを好むか、遠くから「ボールの軌道をじっくり見極めて返球する」安心感を好むかで大きく分岐します。
基準③:攻撃志向か守備志向か
攻めたいか守りたいかは、用具選び(弾む・弾まない、裏ソフト・粒高)にも直結する重要な軸です。
- 上回転をかけてラリーで勝ちたい→ ドライブ型
- 一撃でバシッと決めたい→ 前陣速攻型
- 相手の球威を抑えてピタッと止めるのが好き→ ブロック型
基準④:運動能力・体力・身体的特長
フットワークや体格の状況は、戦型選びに大きく影響します。自分の運動特性を正直に把握しておきましょう。
- フットワークや体格に不安がある→ 前陣速攻型・異質型は動く範囲が比較的狭くカバーしやすい
- 強靭な足腰とスタミナがある→ カット主戦型は前後左右に広く動くため体力が必要
- 素早い動きと反射神経がある→ 早い打球点(ボールが最高点に達する前のタイミング)に対応できる前陣速攻型向き
- パワーとフットワークをバランスよく持っている→ シェーク両面ドライブのオールラウンド型
基準⑤:性格・プレースタイルの志向
性格は参考程度の目安ですが、組み合わせて考えると判断の精度が上がります。
「速いタイミングで打って相手を振り回したい」という積極的な気質は前陣速攻型と相性が良いです。一方、消極的な性格の場合はあえて攻撃的な戦型を選ぶことで弱点を補う、という逆転の発想も有効です。
また、「憧れの選手と同じ戦型を選びたい」というモチベーションも志向のひとつです。ただし、プロ選手が使う用具は初心者向けではないため、同戦型の入門用ラバーから始めることが大切です。幼少期から専門的なコーチングを受けているトップ選手のスタイルを独学で完全再現しようとすると、癖がつきやすく修正が大変になることもあります。
- 「積極的だから前陣速攻型」という単純な結論は早計
- 体力・フットワーク・好きな技術と合わせて総合的に判断する
- 迷ったらシェーク+裏ソフトのドライブ攻撃型からスタートするのが定石
- ①持ち方の選択:シェークかペンかを最初に決める(迷ったらシェーク)
- ②台との距離:前陣・中陣・後陣のどこが好きか
- ③攻守の志向:攻めたいか守りたいか(用具選びに直結)
- ④運動能力・体力:フットワーク範囲・スタミナ・反射神経
- ⑤性格・志向:参考程度に。体力や技術の好みと組み合わせて判断

初心者にはどの戦型がおすすめか
戦型の「自己診断」はできても、「実際にどこから始めればいいか」が分からないと悩む方は多いです。ここでは習得難易度・指導環境・用具コストという初心者特有の事情にフォーカスして、現実的なスタートを提案します。
初心者がシェークドライブ型から始めるべき理由
バタフライやニッタクをはじめ、多くの卓球メーカーや指導者が「まずシェーク両面裏ソフトのドライブ攻撃型」を推奨しています。その理由は明快です。
- 基本技術が身につきやすい:フォアドライブ・バックドライブ・ツッツキなど、卓球の土台となる技術を最もオーソドックスな形で習得できる
- 用具コストが抑えられる:シェーク両面裏ソフト向けの入門用ラバーは種類が豊富で、コントロールしやすいものが多い
- 指導環境が整っている:指導者・練習相手を問わず「一緒に練習しやすい」戦型のため、アドバイスを受けやすい
- 後から戦型変更がしやすい:ドライブ主戦型で培った技術は、他の戦型へ移行するときの土台になる
カットマンや異質型を初心者が選ぶ際の注意点
個性的な戦型に憧れること自体は悪くありません。ただし、いくつかのリスクは事前に把握しておきましょう。
- カットマンは習得技術が多い:カット(下回転で返球する守備技術)・前陣処理・攻撃タイミングの判断など、覚えることが多く上達に時間がかかる
- 用具選びを間違えやすい:カットマン用ラケットは弾みが抑えられた設計で、攻撃型の用具を選ぶと全く機能しない。最初は専門店や経験者に相談を
- 異質型は基礎が育ちにくいリスクがある:粒高や表ソフトの変化に頼りすぎると、ラリー技術やフォームが身につかないまま伸び悩む場合がある
もちろん、コーチの指導のもとで最初からカットマンを目指すことは十分可能です。「相談できる経験者がいるか」が、個性派戦型を選ぶかどうかの重要な判断基準になります。
- 迷ったらシェークドライブ型からスタートするのが最も現実的
- カットマン・異質型を選ぶなら、用具選びと指導者の確保が必須
- 憧れの選手の戦型を目指すのはOK。ただし用具は入門グレードから始める
- どの戦型でも「半年〜1年のラリー経験」を積んでから改めて見直すと判断しやすくなる
戦型に合ったラケット・ラバーの選び方
戦型が決まると、ラケットやラバー選びの方向性が一気に明確になります。ここでは戦型別に「どんな用具を選べばよいか」をわかりやすく解説します。なお、ラバーの種類はITTFが定める5種類(裏ソフト・表ソフト・粒高・一枚ラバー・アンチ)が基本です。ラバー全体の厚さはルール上4.0mm以内と規定されています。

ドライブ主戦型向けの用具選び
攻撃を主体とする戦型では、スピードと回転を両立できるテンション系裏ソフトラバーが基本となります。スピン量とスピードのバランスが高く、攻撃型プレーヤーの大多数が採用しているラバーです。
ラケットは、振り抜きやすいブレード小さめの攻撃用シェークハンドが定番です。
| 戦型 | ラバー例 | レベル感 |
|---|---|---|
| ドライブ主戦型 | バタフライ テナジー05 | 上級者向け |
| ドライブ主戦型 | バタフライ ロゼナ | 中級者向け |
| ドライブ主戦型 | ニッタク ファスタークG-1 | 中〜上級者向け |
前陣速攻型向けの用具選び
前陣速攻型はバック面に表ソフトラバーを使うケースが多く、相手の回転の影響を受けにくい速い返球が持ち味です。ラケットは弾みと操作性のバランスが取れた攻撃用シェークハンドを選びましょう。
| 戦型 | ラバー例 | レベル感 |
|---|---|---|
| 前陣速攻型 | ニッタク モリストSP AX | 表ソフト・テンション系 |
カット主戦型向けの用具選び
カットマンには、ブレードが大きく弾みを抑えたカットマン専用ラケットが適しています。バタフライ ディフェンスIVやニッタク ガレイディアZLCなどが代表的なモデルです。
ラバーはフォア面とバック面で役割が異なります。それぞれの目的に合わせて選びましょう。
- フォア面(裏ソフト・テンション系):カットの切れ味と攻撃の威力を両立
- バック面(粒高):回転変化で相手のミスを誘う守備重視スタイル
- バック面(裏ソフト):攻撃力も確保したい場合の選択肢
粒高ラバーを選ぶ際は、スポンジの有無で特性が大きく変わります。
- スポンジあり(ソフト):安定重視・初心者〜中級者向け(例:VICTAS カール P3V)
- スポンジなし(OX):変化が最大・上級者向け(例:TIBHAR グラスD.TecS)
異質攻守型・粒高攻守型向けの用具選び
異質攻守型の基本は、フォア面に裏ソフト・バック面に表ソフトまたは粒高の組み合わせです。ドライブと変化球を使い分けながら、相手を翻弄するスタイルに適しています。
ラケットは弾みの強さを調整しやすいオールラウンド用シェークハンドが多く使われます。
| 組み合わせ | フォア面 | バック面 |
|---|---|---|
| 裏ソフト+表ソフト | バタフライ ロゼナ | ニッタク モリストSP |
| 裏ソフト+粒高 | バタフライ ディグニクス80 | VICTAS カール P4V |
また、アンチラバー(表面が滑らかで摩擦が非常に少ない特殊ラバー)は、相手の強烈な回転を吸収してナックルボール(無回転)として返球できるのが特徴です。回転の多いドライブへのブロックが安定するため、守備特化の選択肢として活用されます。
- ドライブ主戦型:両面テンション系裏ソフト+攻撃用シェークが基本
- 前陣速攻型:バック面に表ソフトを使い、速さで押し切る構成
- カット主戦型:カットマン専用ラケット+バック粒高の組み合わせが定番
- 異質攻守型:フォア裏ソフト+バック表ソフト・粒高・アンチから選択
- 公式戦ではJTTA/ITTF公認ラバーであることを確認する(出典: 日本卓球協会「公認品一覧」)
戦型は変更してもよいか
戦型の変更は「逃げ」でも「失敗」でもありません。成長の停滞を感じたとき、体力やプレースタイルが変化したときは、むしろ積極的に見直す選択肢のひとつです。
また、どの戦型にも共通する基礎技術(サーブ・フットワーク・台上処理など)は、戦型が変わっても引き継いで使えます。一から全部やり直しになるわけではないので、必要以上に恐れなくて大丈夫です。
戦型変更が有効なタイミング
「今の戦型を続けるべきか、変えるべきか」は、多くの選手が悩むポイントです。以下のようなケースでは、戦型変更が有効な選択肢になります。
- 現在の戦型でオールラウンドな基礎技術が一通り身に付き、得意技術・性格に合わせて特化したい
- 年齢・体力の変化により、スピードより安定感を重視したスタイルに移行したい(例:速攻型→カット型・異質型)
- 指導者から「あなたの特性にはこの戦型が合う」と勧められた
- ラバーの種類を変えたことが、戦型変更のきっかけになった
戦型を変えても引き継げる技術
戦型が変わっても、これまで積み上げた技術はムダになりません。以下の技術はどの戦型でも共通して活きます。
- サーブ技術:変化・コース・長短のコントロールはどの戦型でも重要な武器
- フットワーク:前後左右の動き方は戦型を問わず基礎中の基礎
- 台上技術:ツッツキ・ストップ・フリックは戦型をまたいで使われる
- 戦術の読み・配球:試合中の判断力や配球センスはそのまま活かせる
戦型を変える際に見直すべき技術
一方で、戦型によっては一から習得が必要な技術や、修正が必要なフォームも出てきます。あらかじめ把握しておきましょう。
- スイング軌道の修正:ドライブ型からカット型への変更など、スイングの方向が大きく変わる場合は矯正練習が必要
- ボール感触への慣れ:ラバー変更に伴い弾道・感触が変わるため、慣れるまでの練習期間を設ける
- 立ち位置・フットワークの再構築:前陣から後陣へ移行するなど、台との距離感が変わる場合は動き方を作り直す
- 新戦型専用の技術習得:カット打ちや粒高ブロックなど、その戦型特有の技術は新たに練習が必要
- 停滞感・体力変化・指導者の助言が変更のサイン
- サーブ・フットワーク・台上技術・戦術は引き継げる
- スイング・ラバー・立ち位置は見直しが必要になる場合がある
- 変更は「一からのやり直し」ではなく「積み上げた上での進化」

よくある質問
卓球の戦型は何種類ある?
分類方法によって「5種類」「8種類」など数え方が異なります。
本記事では、シェーク系5種類+ペン系3種類の合計8パターンで整理しています。主な戦型としては、ドライブ主戦型・前陣速攻型・カット主戦型・異質攻守型・粒高攻守型などが挙げられます。
分類の基準によって戦型の数え方が変わることがあるため、「大まかに5〜8種類ある」と理解しておくのが実態に近いでしょう。
戦型の読み方・正式名称は?
「戦型」は「せんけい」「せんがた」どちらの読み方でも正しいとされています。
「プレースタイル」「プレイスタイル」と同じ意味で使われることも多く、現場では「戦形」と表記されるケースもありますが、意味は変わりません。
いずれの表現も通じますので、あまり気にせず使って大丈夫です。
途中で戦型を変えると上達が遅れる?
基礎技術が固まる前に頻繁に戦型を変えると、上達が遅れるリスクがあります。
一方で、ある程度の基礎が身についた後の変更は、得意技術を活かすための合理的な選択です。「半年〜1年ラリーを重ねてから考える」というのが現実的なペースといえます。
最初から完璧な戦型を選ぼうとするよりも、まずは基本を積み上げることを優先しましょう。
性格だけで戦型を決めてよい?
性格は戦型選びの目安にはなりますが、それだけで決めるのは不十分です。
体力・フットワーク・「弾く」か「擦る」かの感覚・卓球で何が楽しいかまで総合的に判断することが大切です。
また、自分の性格とは逆の戦型をあえて選び、弱点を補うアプローチをとる選手もいます。性格はあくまで参考程度に留めておきましょう。
戦型が決まらないときはどうすればよい?
迷ったら、シェーク+裏ソフトラバーのドライブ攻撃型(ドライブ主戦型)から始めるのが定石です。
この戦型は基本技術を一通り習得しやすく、得意技術や性格が見えてきてから別の戦型へ移行するルートが最も安全とされています。
ひとりで悩み続けるよりも、コーチや経験者に相談しながら練習の中で適性を見極めていくのがおすすめです。
まとめ|自分の戦型を決めて練習・用具選びを加速させよう
戦型が決まると、用具選びの方向性と練習で優先すべき技術が一気に明確になります。まだ迷っている方は、この記事のポイントを振り返りながら自分のスタイルを絞り込んでみてください。
- 戦型とはラケット形状・ラバーの種類・立ち位置・得意技術の組み合わせで決まる「戦い方の型」のこと
- シェーク系の主要5戦型:ドライブ主戦型・前陣速攻型・カット主戦型・異質攻守型・粒高攻守型
- ペン系の主要3戦型:ペンドライブ型(日本式・中国式)・ペン前陣速攻型・ペン粒高攻守型
- 初心者はまずシェーク両面裏ソフトのドライブ主戦型からスタートするのがおすすめ
- 戦型が決まれば①最適な用具の選び方と②練習で優先すべき技術が明確になり、上達スピードが上がる
- 公式大会ではITTF公認ラバーの使用が必要。国内大会ではJTTA公認(J.T.T.A.A.マーク)のものを使いましょう(出典: 公益財団法人 日本卓球協会(JTTA) / JTTA 公認品一覧)
戦型を決めたら、次のアクションに進みましょう。
- 用具店やオンラインショップで戦型に合ったラケット・ラバーを相談・検索する
- コーチやクラブの先輩に「自分の動きを見てもらって戦型を診断してもらう」
- 本記事の診断基準をもとに、自分のプレースタイルを再確認する

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